No.055:類似事例:映写フィルムの誤飲による咽頭異物(No.55 プラスチック製シールの誤飲による咽頭異物 の類似事例 8)○
| タイトル | 映写フィルムの誤飲による咽頭異物(No.55 プラスチック製シールの誤飲による咽頭異物 の類似事例 8)○ |
| 事例_基本情報 | 年齢:0 歳 10 か月 性別:女児 体重:8 kg 身長:70 cm |
| 事例_家族構成 | 父、母、兄(5 歳)、姉(3 歳)、本児 |
| 事例_発達・既往歴 | 特記事項なし(つかまり立ちと伝い歩きが可能) |
| 傷害の種類 | |
| 原因対象物 _対象名称 | スライド映写機懐中電灯(図 1)のスライド(図 2)を構成する フィルム様の部品(図 3) |
| 原因対象物 _入手経路 使用状況 | 2023 年 4 月頃に幼稚園で本児の兄に配布された。 普段の保管場所は、自宅の和室のおもちゃ棚。 |
| 臨床診断名 | 咽頭異物 |
| 医療費 | 入院 1,465,700 円 外来 140,330 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅のリビング、X 日事故発生時、おもちゃは自宅のリビングの テレビ台(高さ 40 cm 程度)の上に置かれていた。 |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 兄と姉はリビングの児から離れた場所にいた。母は児のオムツ交 換をしていた。父は寝室で眠っていた。 |
| 発生状況 _発生時刻 | 2024 年 2 月 X 日 (金) 午前 7 時 0 分 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | X-2 日から鼻汁が出現した。X 日朝、母が児のオムツを交換し た際に、児の呼吸が停止しているように見えたことから、母は 窒息を疑い背部叩打法を行った。実施後より嗚咽していたた め、医療機関 A(小児科)を受診した。 |
| 治療経過と予後 | X 日医療機関 A を受診時、頸部〜胸部単純 CT で異物は指摘され なかった。吸気性喘鳴を認めたが、アドレナリン吸入で改善した ためクループ症候群と診断されステロイドを処方し帰宅した。以 降は、近医小児科である医療機関 B で X+3 日まで加療を行った。 覚醒時の吸気性喘鳴はなくなったが睡眠時の吸気性喘鳴は続い ていた。X+13 日頃から睡眠時の吸気性喘鳴が増悪した。X+17 日 に医療機関 C(耳鼻科)を受診し、副鼻腔炎と診断され、抗菌薬 治療を受けた。X+25 日に睡眠時の吸気性喘鳴が増悪したため医 療機関 A を受診した。受診時には喘鳴消失しており、身体診察で 異常を指摘されず、経過観察となった。X+32 日に吸気性喘鳴を 伴う陥没呼吸に気づき、医療機関 A の救急外来を受診した。この 際に経口摂取量低下に伴う体重減少(1 ヶ月間で 8.3 kg から 7.4 kg に減少)を指摘された。経口摂取に関しては、発生から固形 物がほとんど摂取できず、ミルクの哺乳量も減っていたとのこと であった。X+34 日に医療機関 A の耳鼻科で喉頭鏡検査を受けた が、分泌物が多く観察不良であったため、2 週間後の再診を指示 された。体重増加不良の経過観察目的で X+43 日に医療機関 A を 受診した際に、睡眠時の著明な吸気性喘鳴、陥没呼吸を指摘され、 精査目的の入院となった。X+48 日に再度耳鼻科による喉頭鏡検 査を受け、下咽頭に異物を指摘された。異物の上縁は喉頭蓋より 高い位置に、下縁は食道入口部付近にあった。同日全身麻酔下で 緊急摘出術を受けた。摘出時に、披裂部浮腫、咽頭浮腫、潰瘍形 成を指摘された。上気道閉塞のリスクがあると判断され、気管挿 管管理下で披裂部浮腫の改善を待つ目的で、小児集中治療室に入 室した。浮腫の改善を待って、X+53 日に抜管となった。鎮静薬 による離脱症状を一時認めたが、その後改善し、X+59 日に退院 した。X+76 日の喉頭鏡検査再検時点で、披裂部浮腫は残存して いたが、咽頭浮腫や潰瘍は消失していた。吸気性喘鳴や陥没呼吸 は出現しておらず、体重は順調に増加していた。 異物摘出後に再度聴取したところ、X 日朝にリビングで兄と姉が スライド映写機懐中電灯を使って遊んだ際に、スライドが破損 し、中身のフィルムが紛失していたことが分かった。更に本児が 誤飲した目撃はないものの、後日本児の下咽頭に発見された異物 (図 3)はその紛失したフィルムと同一である思われた。スライ ドはフィルムを 2 つのプラスチックの円盤で挟む構造になって いるが、破損時に 2 つのプラスチックの円盤が完全に分離してお り、片方の円盤は、プラスチックが割れて一部欠けていたとのこ とであった。 |
| キーワード | 吸気性喘鳴、経口摂取不良、咽頭異物、フィルム |
