公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.055:類似事例:電動毛玉取り器の金属製網刃の誤飲による咽頭異物 (No.55 プラスチック製シールの誤飲による咽頭異物の類似事例 3)

タイトル電動毛玉取り器の金属製網刃の誤飲による咽頭異物
(No.55 プラスチック製シールの誤飲による咽頭異物の類似事例 3)
事例年齢:11 か月 性別:女児 体重:9.0kg 身長:80cm
傷害の種類誤飲
原因対象物電動毛玉取り器の金属製網刃の一部
臨床診断名中咽頭異物
医療費295,570 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
母が一緒にいたが、家事をしていたため本児から目が離れていた
発生状況
_発生時刻
2019 年 5 月 X 日(火) 午後 4 時 50 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記日時に、母が気づくと本児が電動の毛玉取り器を手にして噛んでいた。
すぐに取り上げたが、毛玉を除去するための金属製網刃の一部が欠損して
おり(図 1)、床には網刃の破片が複数散乱していた。児の口腔内にも網刃
の一部と思われる異物が見えたため、母が摘出を試みたが摘出できなかっ
た。再度口腔内を確認すると、異物は確認できなくなっていた。本児の機
嫌が悪く、流涎が続くため、午後 6 時頃医療機関 A を受診した。X 線検査
で左咽頭に異物を認めたため、摘出目的に同日午後 7 時 30 分頃に医療機
関 B(大学病院耳鼻咽喉科)を紹介受診した。
治療経過と予後医療機関 B での初診時、口腔内・中咽頭に目視および喉頭ファイバースコ
ピーで確認できる異物はなかった。しかし、児の不機嫌と流涎が持続して
いたため、再度 X 線検査を施行すると、左中咽頭に網目状の X 線不透過性
異物を認めた(図 2)。さらに CT 検査を行うと、異物は左口蓋扁桃に埋没
するように存在していることがわかった。非鎮静下では摘出困難と判断し、
同日全身麻酔下での異物摘出術を行った。全身麻酔後に口蓋扁桃摘出術用
の開口器で術野を展開すると、左扁桃窩に埋没する網目状の異物を同定で
きた。異物を周囲から鈍的に剥離し、摘出した(図 3)。術後に明らかな合
併症は生じず、翌日退院した。退院から1週間後に外来で経過を確認した
が、明らかな異常所見や合併症は認められなかった。
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