公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.028:類似事例:電気ケトルによる右前腕熱傷(No.28 電気ケトルによる顔面・胸部・上肢熱傷の類似事例 6)

タイトル電気ケトルによる右前腕熱傷(No.28 電気ケトルによる顔面・胸部・上肢熱傷の類似事例 6)
事例_基本情報年齢:0 歳 8 か月 性別:女児 体重:7kg 身長:70cm
事例_家族構成父、母
事例_発達・既往歴なし つかまり立ちができるようになったばかり
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
電気ケトル
原因対象物
_入手経路 使用状況
新品で購入、ほぼ毎日使用していた。
臨床診断名右上腕 浅達性 2 度熱傷(範囲:体表の約 5%)
医療費入院:554,000 円 外来:不明
発生状況
_発生場所
自宅の台所。食器棚の2段目(高さ約 80cm)、底面が引き出せる
扉のない棚に電気ケトルと炊飯器が置いてあった。(図1)
発生状況
_周囲の人・状況
自宅には母と本児の二人のみで、児が台所にいた。母は洗面所に
いたが、台所の様子を確認できない状況だった。
発生状況
_発生時刻
2021 年 1 月 X 日 (月) 午後 3 時 1 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻に、台所から本児の泣き声がしたため、母が台所に向か
うと、本児が床で座って啼泣し、電気ケトルが倒れ、床に湯が溢
れていた。本児の右前腕にお湯がかかったと思われ、同熱傷部位
を冷水で数分冷却したのち、濡れタオルで包み、救急車要請し医
療機関 A に搬送された。
治療経過と予後医療機関 A 受診時、右手関節から前腕にかけて破綻した水疱・び
らんを認めており、浅達性2度熱傷約 5%相当と判断された(図
2)。生理食塩水で洗浄し、フィブラスト、ワセリンを塗布し、創傷
用シリコーンゲルドレッシング、ガーゼ、包帯で保護した。入院と
し、連日熱傷処置・アセトアミノフェンによる鎮痛管理を行った。
入院翌日に全身の膨疹が出現したため、薬剤アレルギーを疑い、
アセトアミノフェンを中止し、抗ヒスタミン薬を使用した。後日
アセトアミノフェン負荷試験を行ったが症状陰性であり、熱傷ス
トレスに伴う皮膚反応と判断した。X+5 日目に発熱があり、提出
した創部培養より MRSA が検出されたが、発熱は1日のみであ
り、抗菌薬治療は行わなかった。X+10 日目に上皮化傾向を認めた
ため、退院とした。退院後は、自宅付近の医療機関 B 形成外科で
通院治療継続の方針とした。
キーワード熱傷、電気ケトル