公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.145 スワドル使用中の心肺停止

タイトルNo. 145 スワドル使用中の心肺停止
事例_基本情報年齢:6 か月  性別:男児  体重:6.4 kg  身長:64.8 cm
事例_家族構成父,母,兄(2 歳),本児
事例_発達・既往歴在胎 33 週 5 日,体重 2,053 g で出生.気管挿管及びサーファクタント投与を施行し,同日
抜管した.その後問題なく退院し経過良好であった.
生後 6 か月時点では,仰臥位から腹臥位への寝返りは可能だったが,その逆はできるように
なったばかりで上手くできないこともあった.
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
スワドル(図)
原因対象物
_入手経路 使用状況
インターネットで購入.新品・中古については不詳.生後 4 か月から使用し,それまでは別
メーカーのおくるみを使用していた.スワドルは両袖を外せるタイプであった.
臨床診断名心肺停止
医療費不明
発生状況
_発生場所
ベビーベッド上
発生状況
_周囲の人・状況
母は兄の入浴介助のため本児から目を離していた(約 20 分).
発生状況
_発生時刻
2022 年 11 月 X 日(木)  午後 7 時頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
スワドルを着せて仰臥位でベビーベッドに寝かせていたが,その 20 分後に腹臥位で心肺停
止になっているのを母が発見し救急要請した.発生時,スワドルの袖は両側とも外していな
かった.
治療経過と予後医療機関で自己心拍再開したが,入院 2 か月後,低酸素性虚血性脳症による脳死とされうる
状態のまま死亡した.入院中の検査では,スクリーニング対象の代謝異常疾患等を含め明ら
かな原因は指摘できなかった.
警察捜査では現場の吐物/虐待を疑う情報等はなかった.
剖検では,心肺停止の原因となりうる所見は認めなかった.
突然死・希少疾患に関連した遺伝子変異は認めなかった.
強度死斑・溢血点など窒息に特異的な所見は認めなかったものの,2 か月の入院期間を経て
いることや乳児であることにより不明瞭化している可能性が高く,原死因は「鼻口部閉塞に
よる窒息の疑い」と判断された.
キーワードスワドル,腹臥位,心肺停止