公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.132 圧力鍋内の食材爆発による熱傷

タイトルNo. 132 圧力鍋内の食材爆発による熱傷
事例_基本情報年齢:10 歳 2 か月  性別:女児  体重:49 kg  身長:148 cm
事例_家族構成父,母,父方祖母,兄(19 歳),兄(18 歳),兄(13 歳),本児
事例_発達・既往歴なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
両手圧力鍋(2012 年 12 月製造)(図 1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
結婚式の引き出物,10 年以上前に入手した.
本圧力鍋の使用状況は,本児はお手伝いで数回(シューっと蒸気が出たら火を弱める程度),
父は初めての使用であった.定期的な分解掃除は行っていなかった.
臨床診断名熱傷
医療費入院 3,065,000 円
発生状況
_発生場所
自宅台所
発生状況
_周囲の人・状況
父と本児がカレーを調理していた.
発生状況
_発生時刻
2023 年 1 月 X 日(水)  午後 5 時 0 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
父と本児は圧力鍋でカレーを調理していた.食材を圧力鍋に入れ,中火にかけて蓋をした
後,父はすぐにその場を離れた.その時,蓋の開閉ハンドルはロックされていた.父が離れ
て 10 分以内に,本児が蓋のロック部分を操作したところ,圧力鍋の内容物が爆発し本児に
かかった.圧力鍋にはじゃがいも,玉ねぎが入っており,ルーを投入する前だった.内容物
の容量は圧力鍋の最大容量を超えていなかった.父親は,本児の患部をすぐにシャワーで
10 分ほど冷やし,その後に救急要請した.
治療経過と予後来院時のバイタルサインは呼吸数 20 回/分,脈拍数 93 回/分,SpO2 98%,体温 36.8℃であっ
た.全身熱傷(Burn Index:5,TBSA 8.5%)であり,顔面(両側頬部・下顎):II 度 1.5%,
左上肢:II 度 3%,右上肢:II 度 3%,前胸部:II 度 1%を認め(図 2,図 3,図 4),一般病
棟に入院した.入院中,右腰部より 4×6 cm で分層皮膚片を採皮し,自家細胞採取・非培
養細胞懸濁液作製キットで細胞化したものを両側頬部・頤部・頸部・前胸部・左上肢の熱傷
部・採皮部に噴霧した.入院期間は 15 日間であった.退院後は形成外科外来に通院してい
る.
キーワード圧力鍋,熱傷