No.130 ウサギ咬傷が疑われた指の欠損
| タイトル | No. 130 ウサギ咬傷が疑われた指の欠損 |
| 事例_基本情報 | 年齢:0 歳 11 か月 性別:女児 体重:5.5 kg 身長:60.5 cm |
| 事例_家族構成 | 母(29 歳),兄(4 歳),姉(5 歳) |
| 事例_発達・既往歴 | 大動脈弁狭窄症,低出生体重児,SGA,体重増加不良,先天性甲状腺機能低下症,小頭症 |
| 傷害の種類 | |
| 原因対象物 _対象名称 | ウサギ |
| 原因対象物 _入手経路 使用状況 | ウサギは知人から譲り受けたものであった.自宅でペットとして室内,床に置いたゲージ (図 3)に入れ飼育していた |
| 臨床診断名 | 動物咬傷,左示指挫滅創,左示指末節骨開放骨折 |
| 医療費 | 入院 542,820 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅寝室.普段より寝室にゲージを置きその中で飼育していた. |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 本児のみが寝室で寝ており,口元にミルクを入れた哺乳瓶を置き,母はリビングで休憩して いた.きょうだいは保育園に行っていた.また,ウサギの餌は普段は母が与えていた. 母に知的障害があり,母自身がヘルパーなどを利用していた.経済的にも困窮している家庭 であった.また本児は体重増加不良などがあり,マルトリートメントが疑われていた. |
| 発生状況 _発生時刻 | 2022 年 10 月 X 日(木) 午後 2 時 55 分 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 母はリビング,本児は口元に哺乳瓶が置かれた状態で寝室にいた.上記時間に母が児の異常 な啼泣を聞き見に行くと,寝室内でウサギのゲージに指を入れて啼泣している本児を発見. 左示指が欠損し,出血していた(本児の体格は月齢に比して小さいが,手の大きさは月齢相 当でゲージの隙間には入る程度であったと投稿者より報告されている).母は救急要請する 手段がなかったため,居住するマンション 1 階の住民に助けを求めた.その住民により救急 要請され,A 医療機関へ搬送された. |
| 治療経過と予後 | 呼吸,循環は安定していた.左示指爪部分が欠損(図 1)(ウサギが食べたと推測され欠損 部持参なし)し,爪根部は残存しておらず,末節骨断端が露出していた.圧迫で制御できる 出血があった.その他の損傷はなかった.X 線写真(図 2)で末節骨先端が欠損しているこ とを確認し,生理食塩水で洗浄,リドカインで指神経ブロック,バイポーラで止血しアルギ ン酸塩を貼付,包帯保護を行った.創部自体は外来加療が可能な損傷であったが,地域保健 師介入中の事例であり,家庭内での重大事故のため環境調整目的に同日一般病棟に入院と なった.X+3 日目には形成外科が創部処置を行い,感染徴候はなかった.X+5 日目病院内 こども虐待対応チームや虐待委員会で事実を十分に検証され,虐待の可能性は低いと判断し た.しかし,適切な養育及び安全な創部管理が担保できるよう,児童相談所に通告となっ た.X+8 日目に創部経過は良好で外来移行として乳児院へ退院となった.その後の本児の 健全な成長をサポートできるように,地域全体で家族を支援していく方針である. |
| キーワード | ウサギ,動物咬傷,手指欠損 |
