No.128 電子レンジで加熱した飲食物による喉頭熱傷
| タイトル | No. 128 電子レンジで加熱した飲食物による喉頭熱傷 |
| 事例_基本情報 | 年齢:0 歳 9 か月 性別:女児 体重:8.60 kg 身長:68.5 cm |
| 事例_家族構成 | 父,母,本児 |
| 事例_発達・既往歴 | 心室中隔欠損症(自然閉鎖) 発達の遅れなし 喃語あり,つかまり立ち可 離乳食後期食 |
| 傷害の種類 | |
| 原因対象物 _対象名称 | 冷凍していたお粥を電子レンジで加熱したもの(全粥) 家庭用電子レンジ |
| 原因対象物 _入手経路 使用状況 | 電子レンジは 2015 年に通販サイトで新品を購入し,冷凍したお粥を温めることにほぼ毎日 使用していた.お粥の保存容器はプラスチック製で,量販店で購入したものであった.100 g 程度入るもの. |
| 臨床診断名 | 喉頭熱傷 |
| 医療費 | 入院 2,780,100 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅のダイニング.電子レンジはキッチンにあり. |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 祖父母宅から帰宅し,夕飯を午後 9 時 30 分ごろにダイニングで父母本児の 3 人で食べてい た. |
| 発生状況 _発生時刻 | 2021 年 1 月 X 日(土) 午後 9 時 30 分 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 感冒症状などなく元気であった.X 日午後 9 時 30 分ごろ,自宅にて家族 3 人で夕食を食べ ていた.あらかじめ準備していたお粥とペースト状おかずの食事量では足りなかったため, 冷凍しておいた 100 g 程度のお粥を母が電子レンジで温めた.電力は 500~600 W,温め時 間は 1 分間であった.午後 9 時 40 分ごろ,母が容器の側面を手で軽く触れて表面温度を確 認し軽くかき混ぜてプラスチック容器から皿に移した.その後,さじで少量をすくって触れ て温度を確かめてちょうどよいと確認し,さじ 1 杯分のお粥を本児に食べさせた.食べさせ た直後に,本児が咳込み,啼泣した.すぐに落ち着いたので残りのお粥を全て与え,完食 し,追加でペースト状のバナナも摂取した.嘔吐はなかった.就寝したが X+1 日午前 1 時 30 分頃に泣き始め,吸気性喘鳴が出現したため午前 3 時頃に救急要請し医療機関 A を受診 した. |
| 治療経過と予後 | 午前 3 時 30 分頃,医療機関 A に搬入された.吸気性喘鳴と鼻翼呼吸・肋間の陥没呼吸を認 めた.発熱はなく呼吸回数 36 回/分,心拍数 180 回/分,経皮的酸素飽和度 88~90%(室内 気)でありフリーフロー酸素 3 L/min を要する呼吸不全を認めた.頸部単純 X 線写真で喉 頭浮腫を認め,経鼻ファイバースコピーで喉頭蓋の著明な発赤・浮腫と喉頭蓋上部の水疱形 成を認めたため喉頭熱傷と診断された.医療機関 A の救急外来で,気管挿管を試みたが, 声門直視困難で小児科医師,救急科医師による気管挿管が困難であった.午前 5 時 50 分に 麻酔科医が慎重に気管挿管(4.0 mm 径,カフなしチューブ)を行ったのち,午前 8 時 16 分 に全身管理目的で高次医療機関 B に転院搬送された.口腔内,顔面,体幹に熱傷所見を認 めなかったが,入院後に実施した喉頭ファイバースコピーで図 1 の様に喉頭蓋と披裂部の発 赤腫脹が著明であった.高次医療機関 B の集中治療室で筋弛緩・深鎮静下で全身管理をし た.水分管理および 3 日間(X+10,11,12 日目)のデキサメタゾン投与で経時的に喉頭浮 腫が改善し,X+12 日目に抜管し,X+13 日目に一般病棟に転棟した.抜管後の喉頭ファイ バースコピーで喉頭熱傷による瘢痕形成などの合併症を認めなかった.食事摂取が問題ない ことを確認し,X+20 日目に自宅退院した. |
| キーワード | 喉頭熱傷,気道閉塞 |
