公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.125 キッチンで受傷した熱湯による体幹・四肢熱傷 _2

タイトルNo. 125 キッチンで受傷した熱湯による体幹・四肢熱傷 _2
事例_基本情報年齢:2 歳 1 か月  性別:女児  体重:13.0 kg  身長:80.5 cm
事例_家族構成父,母,本児の 3 人家族
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
鍋で沸騰させていた熱湯
原因対象物
_入手経路 使用状況
なし
臨床診断名顔面Ⅱ度熱傷,頸部Ⅱ度熱傷,左前腕Ⅱ度熱傷
医療費入院 539,310 円 外来 12,060 円
発生状況
_発生場所
自宅のキッチン(図 4)
発生状況
_周囲の人・状況
母は,キッチンで夕食の準備をしていた.2 つあるコンロでパスタ,もやしを茹でていた.
父は勤務先から帰宅し,本児と遊んでいたが,自転車のタイヤの空気を注入しに外に出た.
本児は玄関まで父に付いて行ったが,父にテレビを見ておくように言われてリビングに戻っ
てきた.本児がリビングに戻ってきたことまでは,母は認識していた.
発生状況
_発生時刻
2022 年 2 月 X 日(金)  午後 7 時 45 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻頃,母がもやしを茹でていた熱湯を流しに捨てようと取手のついた鍋を持って左向
きに振り返ると,本児がおもちゃのピアノ椅子(15 cm 程度の高さ)を持って流しの前に来
て,その上に乗っていた.母の左肘が本児と接触した拍子に本児に向かって熱湯をこぼして
しまい,熱湯が本児の顔面,頸部,左前腕にかかった.鍋に入っていた熱湯は数百 mL だっ
たが,どれくらいの量がかかったのかは不明であった.すぐに鍋を流しに置き,その流しで
本児の顔を冷水で洗ったため残っていた熱湯の量も不明であった.その後,保冷剤で冷却し
ていた.自宅の駐車場にいた父にすぐに電話し,救急要請した.午後 8 時 7 分に救急隊が現
着した.
治療経過と予後午後 9 時 11 分病着時,バイタルサインに異常を認めなかった.顔面,頸部,左前腕から手
関節に熱傷を認めた.Ⅰ度からⅡ度熱傷であり,洗浄後に開放的湿潤療法を開始した.X+
1 日午前に同院の救急外来を再診し,顔面Ⅱ度熱傷の範囲拡大と眼瞼腫脹の増悪を認めた.
自宅が遠方であったこともあり,同日入院とした.入院後は形成外科医による毎日の処置を
継続し,X+8 日目に退院した.経過良好であること,遠方在住であることを鑑み,退院後
は自宅に近い中核病院の形成外科外来へ通院することとなった.
キーワードキッチン,顔面熱傷