公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.125 キッチンで受傷した熱湯による体幹・四肢熱傷 _1

タイトルNo. 125 キッチンで受傷した熱湯による体幹・四肢熱傷 _1
事例_基本情報年齢:1 歳 9 か月  性別:男児  体重:11 kg  身長:91 cm
事例_家族構成父,母,本児(同胞なし)
事例_発達・既往歴右停留精巣術後,その他特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
沸騰したスープ
原因対象物
_入手経路 使用状況
なし
臨床診断名左耳介・後頸部・背部・右下肢のⅡ度熱傷
医療費入院 921,390 円
発生状況
_発生場所
自宅のキッチン
発生状況
_周囲の人・状況
母親がキッチンで夕食の準備をしており,児は母親の足元にくっついていた.最近いやいや
期で常に一緒にいないと泣きわめくとのことで,普段から同じような状況だった.
キッチンは居間と一続きの間取りであり,乳幼児がキッチンに入ることができない防策はし
ていなかった.
発生状況
_発生時刻
2021 年 9 月 X 日(水)  午後 5 時 50 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
母親が児の夕食のスープ 150 mL 程度を鍋で熱していたが,沸騰したのでコンロの火を止め
た.児が足元にいたため危険と思い鍋を移動させようとしたところ手元がすべり,足元にい
た児の背部から沸騰したスープがほぼ全量かかった.母親がすぐに児の肌着を脱がせ,浴室
で冷水を 1 分ほどかけたあと,自宅にあったイソジン軟膏を受傷部に塗布した.父親は仕事
で不在だったため近隣在住の母方叔父に連絡して車を出してもらい,受傷 30 分後に近医ク
リニックを受診した.重症度が高く高次医療機関の受診を指示され,受傷 1 時間後に医療機
関を受診した.
治療経過と予後受診時(午後 6 時 45 分),バイタルサインに異常はなく,左耳介・後頸部(図 1)・背部(図
2)・右下肢(図 3)にⅡ度熱傷(体表面積 15%程度)を認め,外来で洗浄・デブリドマンと
湿潤療法を行い入院した.入院後は形成外科併診で創部処置を継続し,創部の上皮化が進ん
だことを確認し入院 15 日目で退院した.退院後は形成外科外来に通院予定となっている.
キーワードキッチン,広範囲熱傷