公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞

タイトルNo. 109 高吸水性樹脂球の誤飲による腸閉塞
事例_基本情報年齢:0 歳 11 か月  性別:男児  体重:9.7 kg  身長:73 cm
事例_家族構成父,母,兄(4 歳)
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
水で膨らむボール(高吸水性樹脂製品)(大きさは 1 つあたり直径 10~20 mm 大で,膨ら
むと直径 35~40 mm 大になる,対象年齢 10 歳以上と記載あり)(図 1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
100 円均一ショップで購入し,日常的に使用していた.
臨床診断名異物誤飲,腸閉塞
医療費入院 688,520 円
発生状況
_発生場所
自宅の浴室
発生状況
_周囲の人・状況
兄と一緒に入浴中に,本製品を使用して遊んでいた.
発生状況
_発生時刻
2021 年 6 月 X 日(金)午後 3 時 0 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻に,自宅の浴室の浴槽内で,水につけると膨らむボールで,本児は兄と遊んでい
た.膨らむ前のボールも複数個を水につけていたが,個数は確認していなかった.同日深夜
になって,腹痛,嘔吐が出現し,吐物に食残とボールの一部が混ざっていたため,誤飲を
疑って,すぐに救急外来を受診した.明らかな成人の目撃はなかった.
治療経過と予後来院時,活気不良,嘔吐あり,腹部膨満していた.腹部 X 線写真(図 2)で異物は確認でき
なかったが,小腸ガスを認めており,腹部 CT 写真(図 3)で拡張した小腸と局所的な虚脱
を認めたが,異物の同定は困難だった.病歴より膨らむボールによる腸閉塞として減圧目的
にサンプチューブを挿入し入院となった.同日,緊急開腹手術を行い,小腸が局所的に
40 mm 程に拡張し,陥入した異物を同定した(図 4).用手的に異物を結腸まで先進させ,
閉復終了とした.X+1 日,異物は自然排泄され,入院 X+4 日目に,術後合併症なく退院
となった.
キーワード高吸水性樹脂,腸閉塞,異物誤飲