公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.049:類似事例:リンゴの誤嚥による気管支異物(No.49 ブドウの誤嚥による窒息の類似事例 7)

タイトルリンゴの誤嚥による気管支異物(No.49 ブドウの誤嚥による窒息の類似事例 7)
事例_基本情報年齢:0 歳 11 か月 性別:男児 体重:約 9kg
事例_家族構成母、兄(8 歳)、本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
リンゴ
原因対象物
_入手経路 使用状況
スーパーで買った
X 日以前に、すりおろしたリンゴを食べたことが何度もあった
臨床診断名リンゴ誤嚥、右気管支異物
医療費外来 61,380 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
母が食べさせた
発生状況
_発生時刻
2021 年 3 月 X 日 (日) 午後 6 時 ごろ
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
感冒症状なく元気であった。X 日午後 5 時過ぎに離乳食(初めて
食べたものはない)を食べ、その後リンゴを食べた。リンゴはこ
れまでのように、母が離乳食用のすり下ろし器具(丸い 7-8mm
円状の穴が多数あいたもの)ですりおろしたものであった。リン
ゴを食べた直後に、咳き込みと喘鳴が出現した。医療機関 A を受
診したのち、リンゴによる誤嚥を疑われ医療機関 B を紹介受診し
た。
治療経過と予後医療機関 B を受診した際、意識清明、顔色良好で体温 35.5 度
SpO2 96%、心拍数 130/分、呼吸数 29/分とバイタルサインは落ち
着いていた。肺音では右肺の空気の入りが不良で、呼気性喘鳴を
認め、右胸郭の挙上も悪かった。一方、左肺の空気の入りは良好で
努力呼吸はなかった。リンゴ誤嚥による右気管支異物を考え、胸
部X線画像(図 1)を撮像したところ、右肺の過膨張がみられ、更
なる精査として胸部 CT 検査(図 2)を行うこととした。静脈麻酔
下に胸部 CT 検査を撮像したところ、右気管支異物と診断した(図
3)。医療機関 B では乳児の気管支異物は対応困難であり、医師が
医療機関 C への紹介相談の電話をしていたところ、本児が強く咳
き込んだ。一時顔色不良になったあと、リンゴが口の中からでて
きた。リンゴは 5×5×20mm 程度(図 4)であった。その後は、
右肺の空気の入りも良好となり、胸部 X 線画像も改善したため、
気管支異物は取り除かれたと判断し帰宅とした。
キーワードリンゴ、すりおろし、誤嚥、気管支異物