公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.049:類似事例:パンの誤嚥による窒息(No.49 ブドウの誤嚥による窒息の類似事例 4)

タイトルパンの誤嚥による窒息(No.49 ブドウの誤嚥による窒息の類似事例 4)
事例年齢:0 歳 10 か月 性別:男児 体重:7.0kg 身長:70cm
傷害の種類窒息
原因対象物乳幼児用に市販されているパン(1個あたり 3-4cm 大)
(※本品は食品衛生法に基づく乳児用食品の規格基準が適用される食
品で、10 か月頃から摂取可能との表示あり)
臨床診断名窒息、心停止後症候群、低酸素性脳症
医療費2,817,180 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
母親と一緒におやつを食べていた
発生状況
_発生時刻
2020 年 3 月X日(火) 午後 3 時 20 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
生来健康な男児。数歩の独歩が可能で発達遅滞はなく、乳歯は萌出して
いた。受傷当日の午後 3 時頃、母親と二人でおやつとしてパン(固め、
3-4cm 大)を食べ始めた。いつもは同じパンを本人が小さく噛んで食べ
ていたが、母親が一瞬目を離した隙にパンを 1 つ丸々口に入れて飲み込
もうとした。母親が慌てて本児の口に手を入れてかきだそうとした。し
かし少量しか取り出せず、直後に苦しそうに悶え出した。背部を叩き、
また逆さまにして出そうとしたが出せず、徐々に活気がなくなり動かな
くなった。
治療経過と予後午後 3 時 25 分、母親が救急要請した。救急隊からの指示を受けて、直
ちに母親が胸骨圧迫を開始した。午後 3 時 40 分 救急隊とドクターカー
がほぼ同時に到着した。初期波形は無脈性電気活動( PEA)であった。溶
けたパンが口腔内に充満、口や鼻から吸引を行ったが換気不良であっ
た。骨髄路を確保し、生理食塩水を全開投与し、アドレナリンを投与し
ながら搬送した。午後 4 時 4 分に医療機関に到着した。午後 4 時 6 分に
喉頭展開し、硬性吸引チューブで吸引したところ、ふやけたパンが咽頭
喉頭まで詰まっていた。除去した後に気管挿管を実施した。午後 4 時 7
分に 6 回目のアドレナリンを投与した。午後 4 時 11 分に自己心拍の再
開が得られた(心停止時間は約 50 分)。蘇生後管理のために集中治療室
に入室した。人工呼吸管理、循環作動薬の投与、体温管理等を行ったが、
入室 12 日目に永眠された。
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