公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.048:類似事例:ボールペンのキャップの誤嚥による気道異物 (No.48 水風船の誤嚥による窒息、No.52円柱状の砂糖菓子の誤嚥による窒息の類似事例1)

タイトルボールペンのキャップの誤嚥による気道異物
(No.48 水風船の誤嚥による窒息、No.52円柱状の砂糖菓子の誤嚥による窒息の類似事例1)
事例年齢:3 歳 1 か月 性別:女 体重:14.1 kg 身長:96.2 cm
傷害の種類誤嚥
原因対象物ノック式ボールペンのキャップ
臨床診断名気道異物
医療費84 1,780 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
患児は居間にて一人で遊んでおり、母は隣の台所で家事をしていた。居間には
お絵描き用の画用紙と、ノック式ボールペンが置いてあった。
発生状況
_発生時刻
2014 年 9 月 7 日 午前 10 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
9 月 7 日午前 10 時 25 分頃、患児は居間にて一人で遊んでおり、画用紙にボー
ルペンで絵を描いていたのを母が確認している。10 時 30 分頃、母が隣の台所
で家事をしていて目を離した 2、3 分の間に突然啼泣したため、母が患児の様子
を見に行った。初めは「目が痛い」と訴えていたが、すぐに咳込み出し、呼吸
が苦しそうになった。周りを探すとキャップ(図1の矢印部分)のないボール
ペンがあったため、患児に「何か飲み込んだのか?」と尋ねると「飲み込んだ」
と答えた。咳嗽が激しく、顔色不良になってきたため母が救急車を要請した。
救急隊が到着時、患児にはチアノーゼを認めており、SpO2 85%と低酸素血症を
認めたため、酸素投与下で前医に搬送された。
なお、ボールペンはもともとキャップと離れないようになっていたが、歯で噛
んで飲み込んでしまったようだった。
治療経過と予後前医に到着時、酸素投与により低酸素血症は認めないものの、吸気、呼気共に
狭窄音を聴取し、陥没呼吸を認めた。次第に陥没呼吸が増強し、患児が不穏状
態に陥ったため気管挿管を行った。気管挿管下で当院に搬送され、胸部 CT 写
真を撮影した。胸部 CT 写真では左主気管支の完全閉塞と、異物を疑う高吸収
値域ならびに左無気肺を認めた。
左気管支異物と診断し、全身麻酔下に気管支鏡で異物摘出術を行った。
左主気管支入口部に透明な異物(長径 19 ㎜、直径 6 ㎜)(図2-4)を認めた
ため、気管支鏡を用いて摘出した。摘出後の肺水腫や気管狭窄等の合併症は認
めず、入院4日目に退院となった。退院後は呼吸器症状の出現はなく元気に過
ごしている。
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