公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.047:類似事例:木製おもちゃの誤嚥による窒息(No.47 木製おもちゃの誤嚥による窒息の類似事例 3)

タイトル木製おもちゃの誤嚥による窒息(No.47 木製おもちゃの誤嚥による窒息の類似事例 3)
事例_基本情報年齢:2 歳 4 か月 性別:女児 体重:12kg 身長:90cm
事例_家族構成父、母
事例_発達・既往歴発達:年齢相当 既往歴:特記すべき既往なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
レモンを模した木製の玩具(おままごとセットの玩具。マグネッ
ト式で 2 つに分離できる。口腔内に入っていたのは分離した半分
のレモン)(図 1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
店頭で購入した。購入した時期は不明。自宅で毎日のように遊ん
でいたと思われる
臨床診断名異物誤嚥、窒息、低酸素性脳症
医療費入院 3,100,000 円
発生状況
_発生場所
自宅(詳細な場所は不明。おそらくリビング)
発生状況
_周囲の人・状況
母と自宅で過ごしていた。
発生状況
_発生時刻
2020 年 11 月 X 日 (月) 午後 4 時 25 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記時刻、母と在宅中に本児一人でおままごとをしていた。レモ
ンを模した木製の玩具(おままごとセット)を口に入れていると
ころを母が発見した。そばにいた母が「口に入れちゃダメ」と注
意していた直後に口から出せなくなり、救急要請した。
救急隊が現場到着時、喘鳴を認め、SpO₂ 70%と低下を認めた。
受け答えは可能で、自発呼吸は保たれており、リザーバーマスク
で酸素 10L/min 投与下で SpO2 99%、脈拍数 150/分、収縮期
血圧 150mmHg であった。搬送中、午後 5 時 13 分に心肺停止と
なり胸骨圧迫を開始され、医療機関に搬送された。
治療経過と予後午後 5 時 16 分(心肺停止から 3 分後)に医療機関に到着した。
到着時、対光反射は残存するも心電図波形は無脈性電気活動
(PEA: pulseless electrical activity)であった。胸骨圧迫は継続
され、骨髄路を確保後に、アドレナリンを投与された。口腔内の多
量の吐物により、誤嚥した異物の確認に難渋した。マギール鉗子
で把持できず、用手的に掻き出し異物が除去された。その後、速や
かに気管挿管された。心肺停止から 22 分後(午後 5 時 35 分)に
心拍が再開した。それまでに、アドレナリンは計 5 回投与した。
同日集中治療室へ入院した。
入院後は低酸素性脳症治療のため平温療法と神経集中治療を行っ
た。入院 51 日目に一時的に人工呼吸器から離脱でき、その時点で
の頭部 CT 検査および MRI 検査で、低酸素性脳症と確定診断し
た。入院 90 日時点では、聴性脳幹反応は保たれているが自発呼吸
は極めて弱い状態であり、人工呼吸管理を継続している。
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