公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.040:類似事例:ウイルス除去と称されている製品の誤飲による中毒 (No. 40 ウイルス除去と称されている製品の誤飲による中毒の類似事例1)

タイトルウイルス除去と称されている製品の誤飲による中毒
(No. 40 ウイルス除去と称されている製品の誤飲による中毒の類似事例1)
事例年齢:1 歳 3 か月 性別:男 体重:10.6kg 身長:75cm
傷害の種類誤飲
原因対象物市販のウイルス除去剤
臨床診断名メトヘモグロビン血症
医療費130,440 円
発生状況
_発生場所
発生状況
_周囲の人・状況
発生状況
_発生時刻
2014 年 1 月 12 日 午前 10 時過ぎ
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
10 時頃、母がウイルス除去を目的に市販剤を指示どおりに作成した(液
体と粉末を混ぜるタイプ)。作成後、部屋の棚の上に置いて立ち去った。
その数分後に本児の姉に呼ばれて駆けつけると、本児は脚台を登り、製
剤を食べていた。その数分後より嘔吐が出現したため救急を要請した。
治療経過と予後救急隊が接触した時点ではバイタルサインは保たれ、本児の機嫌も良好
であったが、徐々に全身状態が悪化した。来院時は軽度の意識レベルの
低下を認め(グラスゴー昏睡尺度は 15 点中 13 点)、SpO2 は 89%まで低
下したが、酸素投与を開始したところ SpO2 94%(マスク 5L)まで改善し
た。来院後は嘔吐はなく経過した。経過中、SpO2の低下以外に呼吸状態
の悪化はなく、意識状態も増悪傾向はみられなかった。既往歴に特記事
項はなく、二酸化塩素含有製剤の誤飲と、血中メトヘモグロビン(MetHb)
飽和度の上昇から、来院後約 1 時間で、ウイルス除去剤の誤飲に続発し
たメトヘモグロビン血症と診断した。
酸素投与のみで酸素化は保たれており、MetHb 飽和度(正常:1-2%)は
来院時が最高値の 8.3%であり、症状も速やかに改善したためメチレンブ
ルー投与の適応はないと考えた。観察が必要と考えて入院とした。入院
後は酸素投与量を漸減し、入院 2 日目には酸素投与を中止した。呼吸状
態・全身状態も普段通りに戻っており、MetHb 飽和度も正常化したため退
院とした。退院後は後遺症なく、元気に生活している。
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