公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.036:類似事例:ブラインドカーテン紐による縊頸(No.36 カーテンの留め紐による縊頸の類似事例 5)○

タイトルブラインドカーテン紐による縊頸(No.36 カーテンの留め紐による縊頸の類似事例 5)○
事例_基本情報年齢:2 歳 9 か月 性別:女児 体重:14kg 身長:94.0cm
事例_家族構成父、母、兄(9 歳)、姉(7 歳)、本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ブラインドカーテン紐
原因対象物
_入手経路 使用状況
本製品は自宅(一戸建て)購入時、備え付けのもの(図 1・2)。
セーフティジョイントは備え付けられていなかった。セーフティ
ジョイントとは、ある程度の力が掛かると、ジョイント部分が分
離する仕組みの部品。
臨床診断名心停止後症候群、縊頸
医療費入院 2,494,390 円
発生状況
_発生場所
自宅の居間
発生状況
_周囲の人・状況
発生時、家にいたのは本児と母のみであった。
発生時の目撃者はなし。
発生状況
_発生時刻
2024 年 3 月 X 日 (月) 午前 8 時 0 分 頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
2024 年 3 月 X 日 午前 7 時 30 分頃に朝食を摂取した。午前 7
時 50 分に、母は元気に遊んでいる本児を確認していた。その
後、しばらく母の目が届かない状況だった。午前 8 時 0 分頃、
母は窓のブラインドカーテンの紐に首が完全に入って足は床か
ら離れ宙吊りの状態(完全縊頸)でいる本児を発見した。本児は
顔面が蒼白でぐったりとしており、母は速やかに本児を降ろ
し、救急要請並びに胸骨圧迫を開始した(午前 8 時 0 分覚知)。
午前 8 時 9 分救急隊接触時本児は GCS E1V1M2、脈拍は弱い
ながら触知している状態であった。
発生時、ブラインドのカーテン紐は、紐を止めるクリップが外
れており、ソファの近くにぶら下がった状態であった。本児は
普段から、ソファから飛び降りて遊ぶ行為を行っていた。ブラ
インドのそばにソファを置いており、ソファのひじ置きに乗れ
ば首が引っかかる高さであった(図 1・3)。
治療経過と予後午前 8 時 33 分 医療機関 A に到着時、GCS E1V1M2、瞳孔径
は 4.7mm で左右差なし。顔面に多数の溢血斑、頸部に索条痕を
認めた。血圧 106/72mmHg、脈拍数 78/min 、SpO2 100%(酸
素 10L/min 用手換気下)。意識障害が遷延しており、挿管・人工
呼吸管理の上、集中治療室に入室した。体温管理療法(34℃24 時
間、8 時間復温)を中心とした中枢神経保護治療、脳波モニタリ
ングを行い、脳波上の急性発作に関しては抗けいれん薬を使用し
た。治療後、頭部 MRI 検査や最終の脳波検査では異常がないこ
とを確認し第 5 病日に抜管した。その後意識レベルは GCS
E4V5M6 と改善を認め、第 7 病日に集中治療室を退室し一般病
棟へ転棟した。その後も、神経学的には明らかな異常は認めず、
第 18 病 日 に退 院し た 。 退 院 時 PCPC(Pediatric Cerebral
Performance Category)は 1 であった。
現在は、小児科外来で経過観察を行っている。
キーワードブラインドカーテン紐、縊頸、ソファ、心停止