公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.036:類似事例:ロールカーテンの紐による縊頸(No.36 カーテンの留め紐による縊頸の類似事例 4)

タイトルロールカーテンの紐による縊頸(No.36 カーテンの留め紐による縊頸の類似事例 4)
事例_基本情報年齢:1 歳 10 か月 性別:男児 体重:11.8kg 身長:88.0cm
事例_家族構成父、母、兄(4 歳)
事例_発達・既往歴なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
ロールカーテンの紐
原因対象物
_入手経路 使用状況
1 年前に家を建てた際に設置、新品
臨床診断名窒息
医療費入院 140,290 円
発生状況
_発生場所
自宅の寝室の窓際
発生状況
_周囲の人・状況
本児は兄と 2 人で寝室にいた。母と父はそれぞれ寝室の隣の別々
の部屋にいた。寝室内のベッドは、ロールカーテンのある窓枠の
下の壁に接する位置に配置されていた。ロールカーテンの紐はプ
ラスチックの数珠状で、下端はベッド上から 70cm 程度の高さで、
患児の手が容易に届く高さであった。(図 1)受傷直後、兄は寝室
内のベッドの上に座っていたとのことであった。
発生状況
_発生時刻
2020 年 12 月 X 日 (水) 午前 7 時 56 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
午前 7 時 40 分頃、患児が兄とともに寝室に向かうのを母が目視
した。移動後 2 人の声が寝室から聞こえていたが、7 時 56 分頃
に急に声が聞こえなくなったため、父が寝室に見に行った。発見
時、本児はベッド上で、部屋の角側に向かって立っている状態で
あった。ロールカーテンの紐が前頸部にひっかかり前傾姿勢の状
態であった。周囲にベッド以外のものはなく、足はベッドについ
ていたが、踵がついていたかどうかは不明であった。すぐに父が
本児に巻きついていた紐を外したが、患児は閉眼し、呼びかけ・
揺さぶりに対して反応がなく、顔面蒼白でぐったりしていた。母
が救急要請し、父が本児を抱き上げて呼びかけや揺さぶるなどの
刺激を与えていたところ、2〜3 分後に本児が突然むせこみ、開
眼し啼泣した。その後救急隊が到着し、医療機関へ救急搬送され
た。搬送中も活気は低下していたが、発語や従命動作はあった。
治療経過と予後医療機関到着時、気道・呼吸・循環・意識は保たれていた。バイタ
ルサインは、心拍数 120 回/分、呼吸数 34 回/分、SpO2:100%(室
内気)、体温 36.7 度であった。顔面に点状出血が散在し、前頸部・
側頸部には赤い索状痕(図 2、図 3)があった。頸椎単純 CT で明
らかな骨傷がないことを確認後、頸椎カラーが抜去された。胸部 X
線では陰圧性肺水腫を積極的に疑う像は認めなかった。同日、一
般病棟に入院し、入院翌朝まで絶食・補液で管理された。呼吸窮迫
症状や神経学的異常所見の出現はなく、食事摂取の問題もなかっ
たため入院翌日に退院した。退院 1 週間後の診察では、心身の明
らかな後遺症がないことを確認した。また,家族の同意を得て地
域の保健センターおよび子ども家庭支援センターに情報提供を行
い、訪問での事故予防指導を依頼した。
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