公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.034:類似事例:歯ブラシによる口腔内外傷(No.34 歯ブラシによる口腔内外傷の類似事例 9)

タイトル歯ブラシによる口腔内外傷(No.34 歯ブラシによる口腔内外傷の類似事例 9)
事例_基本情報年齢:1 歳 7 か月 性別:男児 体重:10.3kg 身長:77cm
事例_家族構成父、母、兄、本児
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
歯ブラシ(仕上げ磨き用)
原因対象物
_入手経路 使用状況
以前から使用していたもの
臨床診断名咽頭挫創、縦隔気腫
医療費入院 384,930 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
近くに両親はいたが目を離していた
発生状況
_発生時刻
2020 年 7 月 X 日 (日) 午後 8 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
上記発生時刻の歯磨き時に、はじめは本児に柔らかい素材の歯ブ
ラシを持たせていたが、その後、母が仕上げ磨き用歯ブラシを本
児に渡してトイレに行った。母は父に声かけをしていたが、父は
同胞の仕上げ磨きをしていて、両親とも本児から目を離してい
た。その間に、本児は和室へ走って行って転倒したものと思わ
れ、母が気づいた時には、本児は転倒して啼泣していた。#8000
に相談し、一晩様子を見ていたが、X+1 日朝から発熱があり、同
日午前 9 時に近医耳鼻科を受診した。硬口蓋の擦過と咽頭後壁の
粘膜下出血があり、午前 11 時に高次医療機関へ紹介受診した。
治療経過と予後バイタルサインは体温 38.1℃、SpO2 99%であり、中咽頭後壁に血
腫と発赤があったが、その他の身体所見に異常を認めなかった。
血液検査では CRP 2.38mg/dL、WBC 18290/μL と炎症反応の上
昇しており、頭頸部 CT では、咽頭後間隙~第 5 胸椎レベルに及
ぶ気腫を認めたが膿瘍形成は認めなかった。抗菌薬を 6 日間投与
し、X+2 日に CRP 5.21mg/dL まで上昇したが以降はピークアウ
トした。X+7 日に CT 検査で気腫の消失を確認し、X+10 日に退院
した。以降は別件での小児科フォローを続けているが現時点まで
異常なく経過している。
キーワード歯ブラシ、転倒、咽頭外傷、 縦隔気腫