No.032:類似事例:首浮き輪による溺水(No.32 首浮き輪による溺水の類似事例 5)
| タイトル | 首浮き輪による溺水(No.32 首浮き輪による溺水の類似事例 5) |
| 事例 | |
| 傷害の種類 | 溺水 |
| 原因対象物 | 首浮き輪 |
| 臨床診断名 | 溺水、低酸素性脳症の疑い |
| 医療費 | 944,960 円 |
| 発生状況 _発生場所 | |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | |
| 発生状況 _発生時刻 | 2018 年 5 月 X 日 午後 9 時 10 分頃 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | これまで何度か本児との入浴時に首浮き輪を使用していたが、外れた ことはなかった。当時、本児と母のみ在宅しており、2 人で入浴してい た。児に首浮き輪をつけ浴槽(水深不明)に浮かばせた状態で、母はコ ンロの火を消し忘れたことに気づき、そのまま浴室を離れた。台所でコ ンロの火を消した後、ゴミ箱を倒してしまったためにゴミを片付け、お よそ 5 分後に母が浴室に戻ったところ、首浮き輪から外れた本児が浴槽 に仰向けで沈んでいた。すぐに児を抱き上げたが、刺激しても反応がな く、チアノーゼを認めたため、母が自ら胸骨圧迫を開始した。その後本 児は水を吐き出したが、依然反応がなく、玄関先で胸骨圧迫を続けなが ら救急車を待つ間、通行人に助けを求めた。通行人が人工呼吸を行った ところ、自発呼吸と体動が出現し、その後徐々に顔色が回復した。 首浮き輪について、入手経路や使用頻度、空気の入り具合等はいずれ も不明だが、母が発見した際、上下の安全ベルトは外れていなかった。 |
| 治療経過と予後 | 覚知から8分後に救急隊が現着した際、児に自発呼吸は認めたものの SpO2 93% (大気下)で、JCS 3 桁であった。医療機関到着時の評価では、 SpO2 96% (酸素マスク 10L/分投与下) 、GCS 13(E4V3M6)であった が、処置中に呻吟、中枢性チアノーゼとともに意識レベルの低下 (E1V2M4)を認めた。呼吸不全と判断して気管挿管を行い、人工呼吸 管理を開始した。 PICU 入室時には、呼吸循環状態を維持するため、高圧条件の陽圧換 気と循環作動薬の投与を要した。胸部 CT 写真上、肺野のスリガラス影 から肺水腫が疑われ、また誤嚥性肺炎の合併も懸念されたため、抗菌薬 を投与した。蘇生後の中枢神経管理として脳平温療法、電解質管理を継 続した。入院後の持続脳波検査ではけいれんを示唆する異常波は認め ず、心電図モニターでも明らかな不整脈を認めなかった。以降、胸部 X 線写真で肺野の透過性は徐々に改善し、第 5 病日に抜管した。その後も 呼吸状態は安定していたため、一般病棟へ転棟した。神経学的後遺症が ないこと、経口摂取が問題ないこと、酸素需要がないことを確認し第 7 病日に退院となった。 尚、本児の出生歴・発達発育には異常なく、突然死・けいれん・不整 脈等の家族歴は認めなかった。また、病歴や身体所見から虐待は否定的 と判断した。 |
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