公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.032:類似事例:首浮き輪による溺水(No.32 首浮き輪による溺水の類似事例4)

タイトル首浮き輪による溺水(No.32 首浮き輪による溺水の類似事例4)
事例年齢:7か月 性別:女児 体重:7.9 kg
傷害の種類溺水
原因対象物首浮き輪(2016 年 11 月末にフリーマーケットアプリで購入した)
臨床診断名溺水(淡水)
医療費138,690 円(入院費を含む)
発生状況
_発生場所
発生状況
_周囲の人・状況
発生状況
_発生時刻
2016 年 12 月 21 日 午後 6 時頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
児は双胎の第 1 子である。双胎第 2 子(妹)、2 歳の兄と母と本児の 4 人で入浴し
ていた。本児と 2 歳の兄が浴槽内にいた。浴槽内の水深は、誰も入浴していない状
態で 30cm 程度であったことは母が確認していた。発生時、浴室のドアを開放した
状態で、母と妹は脱衣所にいた。母は、浴槽に背を向けていたが、振り返れば浴槽
が見える位置にいた。父は仕事で不在であった。はじめに、母が本児と妹それぞれ
に首浮き輪(初めて使用)を装着し、浴槽内に両児を入れたまま、浴室内で浴槽が
視野に入る姿勢で兄の体を洗った。その後兄を浴槽内に移し、妹の体を浴室で洗っ
た後に脱衣所に連れて出た。浴槽内には兄と首浮き輪を装着した本児が残ってい
た。浴室から脱衣所に繋がるドアは開放されていたが、母は脱衣所で浴槽に背を向
けた状態で妹の体を拭き、クリームを塗布し、オムツを履かせようとしていた。浴
槽内の兄が給湯機器用浴室リモコンのボタンを押している音を母が聞き、兄を注意
しようとして母が浴室の方を振り返ると、児に装着していたはずの首浮き輪が外
れ、児はうつ伏せ状態で頭部は完全に水面下に浸かり、臀部が水面上に浮いていた。
母が本児を抱き上げた際、本児は自発呼吸を認め、四肢を動かしてはいたが、閉眼
してぐったりしており顔面蒼白であった。午後 6 時 15 分に、母が救急要請し医療
機関を受診した。
治療経過と予後救急車内でのバイタルサインは、心拍数 142 回/分、呼吸数 36 回/分、大気下で
SpO2 97%、腋窩温 36.6 度であった。病院搬入時、啼泣しており心拍数 170 回/分
と頻脈を認めた以外、バイタルサインに異常は認めなかった。児は意識清明で呼
吸・循環状態は安定していた。病歴や身体所見から虐待の可能性は低いと判断した。
胸部 X 線検査で異常なく、静脈ガス所見は正常範囲であった。児の出生歴・発達・
発育に異常なく、突然死・けいれん・心疾患・不整脈などの家族歴は認めなかった。
脳波や心電図は実施しなかった。経過観察目的で同日入院となり、翌朝まで呼吸状
態の悪化がないことを確認し退院となった。退院前に傷害予防教育を実施した。
両親に確認したところ、本児に正しく首浮き輪が装着されていたかどうかは不明で
あり、浮き輪には十分な空気が入っていたかどうかは不明とのことであった。
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