公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.031:類似事例:水筒の紐が遊具に引っかかったことによる縊頸(No.31 フード付きパーカーによる縊頸の類 似事例 1)

タイトル水筒の紐が遊具に引っかかったことによる縊頸(No.31 フード付きパーカーによる縊頸の類
似事例 1)
事例年齢:5 歳 4 か月 性別:女児 体重:22.7kg 身長:111cm
傷害の種類縊頸
原因対象物水筒(紐の長さ 39cm、紐の幅 2.5cm、図 1)、幼稚園の遊具
臨床診断名縊頸
医療費135,520 円
発生状況
_発生場所
幼稚園の園庭
発生状況
_周囲の人・状況
幼稚園にお迎えに来た母に本児が引き渡された後、母は建物内で 2 歳の
妹の世話をしていた。本人は通園リュックと水筒を身に着けたまま、1
人で園庭の遊具で遊んでいた。
発生状況
_発生時刻
2020 年 6 月X日(木) 午後 5 時 00 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
高さ 1m30cm 程度の遊具(図 2)から降りようとした際に水筒の紐が遊
具に引っかかり、水筒の紐で縊頸状態となった。1 分ほどもがいた後に
失神、園庭にいた数名の小学生男児が本児に気づき速やかに救助した。
計 2 分ほど縊頸の状態だったと推測された。園庭に設置された防犯カメ
ラの記録を、保護者および幼稚園教諭が確認したとのことであった。
救助後すぐに母が接触した際、眼球上転および流延を認めた。1 分ほど
で意識回復した。自家用車で医療機関を受診した。
治療経過と予後来院時、意識は清明で神経学的異常を認めず、頸部に擦過傷及び紫斑、
両眼周囲に点状出血を認めた。血液検査でアシドーシスは認めず、CPK
の上昇も認めなかった。胸部単純 X 線写真で異常はなかった。耳鼻科診
察で喉頭浮腫や粘膜下血腫は認めなかった。経過観察目的に同日に緊急
入院した。翌日整形外科医による診察でも神経学的異常は認めず、頸椎
単純 X 線写真でも異常は認めなかった。また、頭部単純 MRI でも異常
所見は認めなかった。経過良好なため、入院 2 日目に退院した。X+6 日
目に再診したが、神経学的な後遺症はなかったため、終診とした。
当該幼稚園では、本事例以降、迎えの時間は園庭での遊びは禁止するこ
ととした。本事例の予防策としては、一定の重さがかかると紐が勝手に
外れるような仕組みにする、首にかける道具・器具を装着したまま遊ば
ないなどの方策が考えられる。
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