公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.030:類似事例:蛇口による口腔底挫傷(No.30 蛇口による乳臼歯脱臼の類似事例 2)

タイトル蛇口による口腔底挫傷(No.30 蛇口による乳臼歯脱臼の類似事例 2)
事例年齢:1 歳 8 か月 性別:男児 体重:11.8kg 身長:84cm
傷害の種類口腔内外傷
原因対象物水道の蛇口(口径 1.6cm)
臨床診断名口腔底粘膜挫傷・血腫
医療費7,880 円
発生状況
_発生場所
市立公園の敷地内に設置してある水飲み場
原因となったのは、水飲み場の側面に下向きに設置されている水道蛇口
で、足元の排水板から蛇口下端までの高さは 56cm であった(図 1)
発生状況
_周囲の人・状況
母と兄(6 歳)は付近で遊んでいた
発生状況
_発生時刻
2020 年 3 月X日(水) 午後 4 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
発生直前、本児は公園内の水飲み場にしゃがみ込み、水道蛇口を下から
見上げるように咥えていた。普段から本児がこのように蛇口に直接口を
つけて水を飲むことがあったため、この時母は本児が水を飲もうとして
いるのだろうと思ったが、兄の遊び相手をしていたため本児に付き添っ
てはいなかった。
本児の泣き声が聞こえたため母が見ると、本児が蛇口を咥えたまま啼
泣していた。本児の口を蛇口から離したところ、口腔底から出血してい
た。同日は止血が得られていたため、鎮痛剤を服用させ自宅で様子をみ
たが、夕食は摂取不可能であった。翌日になり、口腔底の腫脹が増悪し
た。近医歯科を受診したが対応困難と判断されたため、同日医療機関を
受診した。
治療経過と予後医療機関受診時(X+1 日)、バイタルサインに異常はなかった。口腔底
に粘膜挫傷と血腫を認めたが、創部は止血されており、他に歯牙損傷や
上気道狭窄を示唆する症状はなかった。咬傷に準じて CVA/AMPC の内
服を開始した。同日から経口摂取は可能になった。X+2 日の指示再診時
に、同部位の腫脹は改善傾向であることを確認した。X+5 日の指示再診
時に腫脹の消退が確認され、終診となった。
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