公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.028:類似事例:電気ケトルによる両上肢・胸部の熱傷(No.28 電気ケトルによる顔面・胸部・上肢熱傷の 類似事例 5)

タイトル電気ケトルによる両上肢・胸部の熱傷(No.28 電気ケトルによる顔面・胸部・上肢熱傷の
類似事例 5)
事例_基本情報年齢:0 歳 8 か月 性別:女児 体重:8.4kg 身長:72cm
事例_家族構成父(25 歳)、母(24 歳)
事例_発達・既往歴特記すべきことなし、伝い歩き可、独歩不可
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
電気ケトル(容量 1.5 L)、転倒防止機能なし、電気コードなし
原因対象物
_入手経路 使用状況
ミルク用に毎日使用していた。ケトルをいつ購入したかは不明で
あった。
臨床診断名Ⅱ度熱傷
医療費入院総額 465,000 円 外来総額 26,360 円
発生状況
_発生場所
こたつテーブルの上の中央部にケトルを置いていた。普段も同じ
場所に置いていたとのことであった。
発生状況
_周囲の人・状況
母がトイレに行っていた間に自宅の居間で発生した。受傷の瞬間
の周囲の目撃はなかった。
発生状況
_発生時刻
2020 年 9 月 X 日 (水) 午前 9 時 45 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
ミルクの準備のため、母はこたつテーブルの上においた電気ケト
ルに電源を入れ、トイレへ行った。児の泣き声を聞いてトイレか
ら居間に戻ると、ケトルが倒れて机の上に熱湯が薄く溜まった状
態になっていた。児は立位の状態で前胸部がテーブルの縁に密着
し、両上肢の前腕がテーブル上にできた湯溜まりの中に浸かって
いた状態であった。状況から、児が電気ケトルを倒したと思われ
た。両上肢の熱傷に対して、流水で数分間冷却した後、医療機関
A へ救急搬送された。
治療経過と予後同日 10 時 40 分頃、医療機関 A の皮膚科を受診した。受診時のバ
イタルサインに異常を認めなかった。両上肢と胸部を合わせて 10
〜15%のⅡ度熱傷(図 1)と判断され、同日入院となった。創部の
洗浄と軟膏塗布を連日実施したが、入院 3 日目に創部の感染兆候
を認めたため、入院 10 日目までの 8 日間、抗菌薬の静脈注射を行
なった。入院 14 日目に、高次医療機関 B にて皮膚移植の適応は
ないと判断された。その後、医療機関 A において保護者に対し創
部処置の指導が行われた。受傷から約 1 か月後の退院時には創部
の感染兆候はなく、上皮化を認めていた。退院 2 日後に外来を受
診し、経過良好なため終診となった。
キーワード熱傷、電気ケトル