公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.014:類似事例:医薬品(アレルギー性疾患治療薬)の誤投与による中毒 (No.14 容器の移し替えで発生したワックス剥離剤の誤飲による食道粘膜損傷の類似事例 3)

タイトル医薬品(アレルギー性疾患治療薬)の誤投与による中毒
(No.14 容器の移し替えで発生したワックス剥離剤の誤飲による食道粘膜損傷の類似事例 3)
事例年齢:2 歳 5 か月 性別:女児 体重:11kg 身長:87cm
傷害の種類薬物誤飲
原因対象物レボセチリジン塩酸塩シロップ(容器:目盛り付き投薬瓶)
臨床診断名急性薬物中毒
医療費151,020 円
発生状況
_発生場所
自宅のダイニング。食器棚の中(高さ 1.2m 程度の場所)に投薬瓶(図)
に入った状態で保管していた。
発生状況
_周囲の人・状況
母は外出し、児と祖母が自宅で留守番をしていた。外出前に母が、昼食
後のカルボシステインシロップ 1 回分を別容器に取り分け、自宅のダイ
ニングにある食器棚の中(高さ 1.2m 程度の場所)に投薬瓶とともに保管
した。同じ場所にレボセチリジン塩酸塩シロップが入った投薬瓶も保管
されていた。昼食後に取り分けてあるカルボシステインシロップのみを
児に内服させるように、母は祖母に伝えた後、外出した。
発生状況
_発生時刻
2018 年 8 月 X 日(月) 午後 1 時 00 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
傷害発生 3 日前より発熱と咳嗽があり、2 日前に近医を受診。レボセチ
リジン塩酸塩シロップ(朝夕分 2)4 日分とカルボシステインシロップ(朝
昼夕分 3)7 日分を含む内服薬を処方された。2 種類のシロップはそれぞ
れ別の目盛り付き投薬瓶に処方日数分の量が入っており、1 回分(=1 目
盛り)を取り分けて内服するようになっていた。傷害発生時、投薬瓶に
は 6 回分(3 日分)が残っていた。
傷害発生日の午後 1 時頃母は外出しており、児と祖母が自宅で留守番
をしていた。昼食後に、祖母はカルボシステインではなく投薬瓶に残っ
ていたレボセチリジン塩酸塩シロップを誤って全量児に内服させた。母
は午後 6 時に帰宅し、午後 7 時の夕食時に児が傾眠傾向であることが気
になっていた。夕食後に母が児にレボセチリジン塩酸塩シロップを内服
させようとした際に残薬がなく、そこでレボセチリジン塩酸塩シロップ
を過量内服したことが判明した。傾眠状態が続いたため、医療機関を受
診した。
治療経過と予後来院時、気道は保たれており、体温 37.7 度、心拍数 145/分、呼吸数 36/
分、SpO2 99%(室内気)と呼吸・循環は保たれていたが、JCS2 桁の意
識障害を認めた。モニター装着、補液のみで経過観察入院となった。入
院翌日には意識清明となり、ふらつきなく独歩可能であったため、同日
退院とした。
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