公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.013:類似事例:アルカリボタン電池の誤飲によるびらん性胃炎 (No.13 リチウム電池の誤飲による食道粘 膜損傷の類似事例 6)

タイトルアルカリボタン電池の誤飲によるびらん性胃炎 (No.13 リチウム電池の誤飲による食道粘
膜損傷の類似事例 6)
事例_基本情報年齢: 0 歳 11 か月 性別:男児 体重:8.0kg 身長:70.0cm
事例_家族構成母 21 歳、母方祖父母
事例_発達・既往歴特記事項なし
傷害の種類
原因対象物
_対象名称
アルカリボタン電池 直径 11.6mm 高さ 5.4mm の円柱
キッチンタイマーの内蔵電池(図1)
原因対象物
_入手経路 使用状況
入手経路は不明、キッチンタイマーとして日常的に使用していた
臨床診断名電池誤飲、びらん性胃炎
医療費入院 247,650 円 外来 8,570 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
遊びに来ていた 2 歳の従姉とキッチンタイマーで遊んでいるとこ
ろを、母と祖母が目撃している
発生状況
_発生時刻
2020 年 11 月 X 日 (水) 午後(詳細な時間は不明)
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
2020 年 11 月 X 日の夜に患児と 2 歳の従姉がキッチンタイマー
を取り合って遊んでいるところが目撃されている。11 月 X+1日
の朝に母が、キッチンタイマーが使用できないことから電池が入
っていないことに気づき、誤飲の可能性を考えて、同日 11 時頃
に医療機関 A を受診した。受診時、顔色良好で流涎や嘔気はな
く、聴診にて吸気性喘鳴も認めなかった。胸腹部 X 線写真でボタ
ン電池が胃内にあると思われたため(図2)、高次医療機関 B へ
紹介となった。
治療経過と予後X+1日 12 時 30 分医療機関 B を受診した。その際の胸部 X 線写
真で(図 3)は、ボタン電池は十二指腸付近まで進んでいた。受診
後 2 時間で全身麻酔下に上部消化管内視鏡を施行したところ、胃
体中部大弯に発赤あり、胃体下部から前庭部大弯にかけて線状の
びらんと発赤、ヘマチン(血液が胃酸によって変化した小茶色点)
付着を認めた(図 4)。胃内に異物は認められず、ボタン電池は小
腸内に進んでいると判断され経過観察の方針となった。X+2 日朝
に便中にボタン電池の排泄を確認、経口摂取開始後も問題のない
ことを確認し、同日退院となった。
後日、持参してもらったキッチンタイマーは、ボタン電池が収納
されている部分の蓋はスライド式で、乳幼児でも容易に開閉でき
ることが予測された。
キーワードこども用浮輪、溺水、誤嚥性肺炎、浴槽