公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.102 キャスターボード使用中の転倒による外傷_2

タイトルNo. 102 キャスターボード使用中の転倒による外傷_2
事例9 歳 5 か月  性別:男児  体重:35 kg  身長:140 cm
傷害の種類転倒,骨折
原因対象物キャスターボード
3~4 年前,6 歳上の姉用に新規購入したもの
本人も 2 年ほど前から頻繁に使用していた
臨床診断名右橈骨遠位端骨折
医療費247,990 円
発生状況
_発生場所
友人の自宅前,分譲住宅街の平坦な路地(2 m ほどの幅,地面はアスファルト)交通量は多
くないが,車両も進入可能
本児にとっては馴染みの遊び場
発生状況
_周囲の人・状況
同級生の友人計 7 人(うち 6 人がキャスターボード持参)で遊んでいた現場を目撃した大人
はいない
発生状況
_発生時刻
2020 年 5 月 X 日(金)  午後 6 時 00 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
雨上がりの上記時刻に,友人宅前の路地でキャスターボードに乗って遊んでいた.体の右側
を前にした体勢から回転しようとしたところ,車輪が滑ってバランスを崩し,前方に転倒し
た.その際,地面に右手掌をついて受傷した.ヘルメットや四肢の保護具は着用していな
かった.
治療経過と予後受傷同日に整形外科医院 A を受診し,右橈骨遠位端骨折と診断された.同日はシーネ固定
により帰宅したが,夜間も疼痛が持続し,翌朝(X+1 日)同医院を再診した.緊急での手
術適応と判断され,医療機関 B へ紹介された.紹介先受診時のバイタルサインは正常であ
り,患肢以外に外傷はなかった.右手関節部の疼痛は持続していたが,神経障害や血流障害
を示唆する所見は認めなかった.単純 X 線写真で橈骨遠位端が背側へ完全転位しており(図
2),整形外科医と所見を共有し,同日に静脈鎮静下に透視下徒手整復をおこなった.整復後
に長上肢ギプス固定をおこなった.鎮静後の経過観察目的で入院し,翌日(X+2 日)に退
院した.退院後は,引き続き医療機関 B の整形外科外来で通院を継続している.
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