公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.094 カプセル型スポンジ玩具による腟内異物_1

タイトルNo. 94 カプセル型スポンジ玩具による腟内異物_1
事例年齢:3 歳 0 か月  性別:女児  体重:12.1 kg  身長:90.1 cm
傷害の種類異物
原因対象物カプセル型スポンジ玩具(膨らむ前は 5 mm×20 mm の大きさ.水につけて揉むとカプセ
ルが溶けて動物の形に膨らむ.12 個入り)
臨床診断名腟内異物
医療費306,290 円(入院 280,400 円,外来 25,890 円)
発生状況
_発生場所
自宅浴室の疑い
発生状況
_周囲の人・状況
両親,本児,妹(9 か月)の 4 人暮らし.普段は母と二人で入浴していた.
発生状況
_発生時刻
2019 年 6 月 X 日(オムツに血液が付着するようになった日)
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
6 月 X-10 日頃から外陰部のかぶれを主訴に近医を受診しており,外陰部を気にして搔く様
子も見られていた.X-7 日頃にカプセル型スポンジ玩具(12 個入り)を購入し,その後児
は入浴中に膨らませて遊んでいた.X-5 日頃,母は玩具が 2 個なくなっていることに気づ
いたが紛失したと思っていた.それ以降は玩具をビニール袋に入れ,子どもの目の届かない
場所へ保管していた.6 月 X 日,オムツに血液が付着したため,医療機関 A を受診した.
治療経過と予後血液の付着が続くため X+6 日に医療機関 B を受診した.血便や血尿は認めず,外陰部から
の出血もなかった.その後もオムツに薄い血液が付着することが続き,外陰部の悪臭を伴う
ようになったため,X+18 日に医療機関 B の婦人科に紹介された.外陰部の疼痛や搔痒感
の訴えはなく,腟内の診察は困難であったが,出血部位は確認できなかった.また内分泌ホ
ルモンに異常はなかった.腟培養を採取し抗菌薬の内服を開始した.採取した腟分泌物の培
養で有意な菌は認めなかった.その後は一旦オムツに血液が付着することはなくなり悪臭は
改善したが,X+46 日頃から再びオムツに新鮮血が付着するようになった.X+50 日に骨盤
部 MRI を撮像したが腟内異物は指摘されず,形態学的異常も認めなかった.性器出血が長
く続くため,X+74 日に静脈麻酔による鎮静下で内診を行った.観察したところ腟から
1.5 cm ほどの所に長径 2 cm のスポンジを認めた.異物を鑷子で除去しようと試みたとこ
ろ,一塊とはならず切れ切れとなって摘出できた.除去した異物は水分を含んでおり,一部
動物の足と思われる形を認めた.他にちぎれたスポンジが摘出でき残存異物が無いことを確
認した.その後両親に話を聞くと,X-5 日頃にスポンジ玩具を紛失していたことが判明し
た.異物除去後はオムツに新鮮血が付着することはなくなった.
本事例は医療機関内の関係者会議で検証され,児童擁護の観点から児童相談所への通告を
行った.
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