公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.093 スチーム式加湿器による背部熱傷

タイトルNo. 93 スチーム式加湿器による背部熱傷
事例年齢:1 歳 1 か月  性別:男児  体重:8.8 kg  身長:73.1 cm
傷害の種類熱傷
原因対象物スチーム式加湿器
(重量 2.3 kg,幅 29 cm,高さ 30 cm,奥行き 16 cm,水タンク容量 4 L)
臨床診断名II 度熱傷(背部 10%)
医療費入院費:407,000 円,外来通院費:9,810 円
発生状況
_発生場所
自宅寝室
発生状況
_周囲の人・状況
姉(2 歳)は患児のそばにいた.
母は同じ部屋の少し離れた場所で作業中であった.
発生状況
_発生時刻
2017 年 12 月 X 日(水)  午後 0 時 30 分ごろ
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
スチーム式加湿器(以下,加湿器)は,プラスチック製の棚の上に設置してあった.この棚
は,幅 70 cm,高さ 120 cm,奥行き 35 cm あり,引き出し付きで衣類を入れていた.
児が棚近くの床でうつ伏せになって遊んでいたところ,姉が引き出しを出して棚をよじ登っ
たため,棚が倒れてしまった.棚の上のものはすべて落ち,加湿器は児のそばに落ちた.そ
の際,熱湯の入った部分の蓋が外れ,児の背中に熱湯がかかってしまった.
受傷後,児が泣きながら母の方に這っていったため,母が受傷に気づいた.患児の服を脱が
せて熱傷部位を確認したのち,氷冷しつつ医療機関に連絡した.
治療経過と予後X 日午後 2 時頃に医療機関に到着した.速やかに皮膚科医の診察と処置を受け,II 度の熱傷
10%と診断された.小児科に入院して静脈路確保,補液が開始された.皮膚科医により連日
熱傷部位の洗浄,ジメチルイソプロピルアズレン軟膏と抗菌薬軟膏,創傷被覆材による処置
が行われた.経過中に感染を示す兆候はなく,抗菌薬の全身投与は行われなかった.入院後
の経過は良好で,感染の合併なく X+7 日に退院した.
退院後も皮膚科外来にて入院中と同様の処置を受けて,約 1 か月で完治した.
キーワード