公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.092 弁当用ピック誤飲による下咽頭異物

タイトルNo. 92 弁当用ピック誤飲による下咽頭異物
事例年齢:1 歳 7 か月  性別:男児  体重:11.7 kg  身長:82 cm
傷害の種類誤飲
原因対象物キャラクター弁当装飾用のピック 30×22.5×5 mm(図 1)
臨床診断名下咽頭食道異物
医療費474,140 円(入院・外来医療費のみ)
発生状況
_発生場所
母手作りの弁当を公園に持参し,母・4 歳の姉とともに食べていた.
発生状況
_周囲の人・状況
母は姉に注意しており,隣にいた児がハンバーグを食べる様子は直接みていなかった.ハン
バーグには,装飾のためのピックが刺され,先端は隠れていた.
発生状況
_発生時刻
2015 年 3 月 X 日(水)  午前 11 時 40 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
児がハンバーグを食した直後に苦しがり嗚咽した.すぐに母が背部叩打したところ,ハン
バーグ片がでてきて,点状に血液が付着していた.その後も不機嫌で,嚥下時に痛そうにし
ていたため,救急搬送された.
治療経過と予後医療機関に到着時,嗄声や呼吸困難は認めず,さほど不機嫌でもなく,咽頭診察や画像検査
(X 線・単純 CT)でも異物を指摘できなかった.単純 CT 検査で,気腫や血腫の形成を疑
う所見は認めなかったが,吐物に血液が付着していたこともあり,耳鼻咽喉科に診察を依頼
した.喉頭ファイバースコピーで下咽頭に異物を確認できたため,緊急で全身麻酔下に摘出
術を行った.異物の装飾部分が食道内に嵌頓し,刺す部分が下咽頭から食道にかけて存在し
ていた.直達喉頭鏡を用いて展開し,鉗子で摘出した.摘出は発症 3 時間後であった.摘出
後の喉頭ファイバースコピーにて披裂部の粘膜損傷を認め,誤飲時に生じたものと思われ
た.術後は感染予防および披裂部の浮腫への加療として,抗菌薬静注,ステロイド静注,ア
ドレナリン吸入,加湿酸素投与を行った.咳以外に症状なく経過し,術後 3 日目に退院し
た.再診時に 37.5 度で左披裂部腫脹を疑う所見がみられ,内服抗菌薬を処方されたが,そ
の後は改善し,計 3 回の通院で終診となった.
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