No.090 開閉式ドアによる手指外傷_1
| タイトル | No. 90 開閉式ドアによる手指外傷_1 |
| 事例 | 年齢:1 歳 8 か月 性別:男児 体重:12 kg 身長:85 cm |
| 傷害の種類 | 圧挫創 |
| 原因対象物 | ガラス製の開き戸タイプのドア(図 1) |
| 臨床診断名 | 左環指の末節骨開放骨折,末節部圧挫創,爪完全脱臼,爪床挫創 |
| 医療費 | 134,780 円(外来+入院医療費) |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅マンションのエントランス,手動両開きドアの外 |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 本児は発達発育の異常を指摘されたことはない.本児,母,曽祖母の 3 人は自宅マンション 1 階のエントランスからガラス製の手動式両開きドアを通って外に出るところであった.父 は遅れて 1 階エントランスに向かっていた. |
| 発生状況 _発生時刻 | 2018 年 7 月 X 日(火) 午前 11 時 10 分 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 午前 11 時 10 分頃,本児は曽祖母とともに,母より先にエントランスからガラス製の手動式 両開きドア(図 1)を通って外に出ていた.数メートル遅れて続いた母は左手でベビーカー を押し右手でスマートフォンを持っていたため,母がそのまま通りやすいように,エントラ ンスの外側にいた曽祖母がドアを開けた.母がドアから外に出た直後に,ドアの蝶番付近に 立って啼泣している本児に気が付いた.その時点では,本児の指はドアに挟まれてはいな かったが,位置関係から蝶番部分に指が挟まれたと考えられた.本児の左環指から持続出血 を認めたため,タクシーですぐに医療機関を受診した. 尚,曽祖母がドアを開ける直前,啼泣せずにドアの外側に立っている児を母が確認してい る |
| 治療経過と予後 | 来院時は意識清明で,体温 36.4℃,呼吸数 28/分,脈拍数 150/分,SpO2 98%(室内気),で あった.左環指末端部が不全断裂した状態で,爪完全脱臼,爪床挫創を認めた.静脈性出血 を認めたが圧迫で容易に止血を得られた.X 線検査で左環指末節骨剥離骨折を認めた. 救急室でケタミンによる鎮静下,指ブロック後に生理食塩水 1,500 mL で洗浄し,肉眼で末 節骨骨折,爪床裂創を確認した(図 2).爪床を吸収糸,両側の爪郭外側を非吸収糸で単結 節縫合し,爪体は整復しなかった(図 3).創部をドレッシング,ガーゼで圧迫後,環指を アルフェンスシーネで固定し処置を終了した.処置直前に抗菌薬の経静脈内投与を行い,処 置終了後からは抗菌薬の予防内服を開始した.鎮静後の観察目的に入院したが,覚醒確認 後,同日退院とした.外来で経過を確認したが,受傷 3 日目には内服抗菌薬を中止し,その 後も感染徴候なく経過した.創部の生着は良好であり,受傷 15 日目に全抜糸した(図 4). その後は自宅近くの病院での継続加療となった. |
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