公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.088 セパレート式卓球台での頸部絞扼による窒息

タイトルNo. 88 セパレート式卓球台での頸部絞扼による窒息
事例年齢:7 歳 5 か月  性別:女児  体重:18.1 kg  身長:130.0 cm
傷害の種類窒息
原因対象物自宅に設置されたセパレート式卓球台
(図 1,図 2.卓球台は和室に畳んだ状態で保管していた,重量 83 kg)
臨床診断名低酸素性虚血性脳症(心肺停止蘇生後)
医療費4,579,080 円
発生状況
_発生場所
自宅(和室)
発生状況
_周囲の人・状況
自宅リビングで姉(小学校 4 年生)はテレビ観賞していた
祖母は炊事場で炊事をしていた
発生状況
_発生時刻
2018 年 4 月 X 日(月)  午前 8 時 05 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
午前 8 時頃,本児は自宅和室で卓球をするため,姉と 2 人でセパレート式卓球台を準備して
いた.姉がテレビをみるためその場を離れリビングに移動した後,8 時 5 分に和室より叫び
声が聞こえた.姉が部屋に戻ると卓球台裏面と卓球台の脚を架橋するスチール棒の間に児の
頸部が挟まれている状態であった(図 1-c).姉が炊事場にいる祖母を呼び,祖母とともに救
出を試みたが,卓球台が重く頸部絞扼を解除できなかった.祖母が警察に電話連絡し,その
後救急要請された.救急隊現着時(8 時 35 分),児は心肺停止状態であった.救急隊が頸部
の絞扼を解除し,すみやかに心肺蘇生処置を開始した.同時にドクターヘリを要請し,8 時
51 分にドクターヘリが現着した.8 時 53 分に心拍再開を確認した.その後,気管挿管が実
施され,ドクターヘリによって医療機関に搬送となった.
治療経過と予後頭部 CT で低酸素による脳浮腫所見を認めた.低酸素性虚血性脳症と診断し,集中治療室で
低体温療法と抗脳浮腫療法を施行した.長期的な人工呼吸管理が必要との判断で,気管切開
術を実施した.術後の呼吸状態は安定していたため,入院 18 日目に一般病棟に転棟した.
経過中,徐々に呼吸状態は安定して,入院 35 日目に呼吸器を離脱して,気管切開と経管栄
養を行いながらリハビリテーションを行っている.入院 43 日目の時点で,開眼はあるが追
視不可,随意運動なく寝たきりの状態である.今後は,気管切開を残し,胃瘻による栄養管
理を継続する予定である.
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