公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.086 耳垂用ピアスによる皮下異物埋没

タイトルNo. 86 耳垂用ピアスによる皮下異物埋没
事例年齢:12 歳 11 か月  性別:女児  体重:54 kg  身長:不明
傷害の種類異物迷入
原因対象物耳垂用ピアッサー
臨床診断名左耳垂異物
医療費15,150 円
発生状況
_発生場所
自宅
発生状況
_周囲の人・状況
本児が自宅内で,市販のピアッサーを使用し両側耳垂にピアス孔を開けた.母親はその事は
知っていた.
発生状況
_発生時刻
2019 年 1 月 X 日(土曜日)
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
生来健康な 12 歳女児が,受診 17 日前に両側耳垂に市販ピアッサーを使用しピアス孔を開け
た.付属の金属製のピアスを装着し,ピアス孔が安定するまで着脱せずに使用を続けてい
た.受診前日に左の耳垂部分に疼痛が出現した.受診当日には同部位の疼痛は軽減していた
が,腫脹していた.金属製ピアスが耳垂皮下に埋没し,ピアスの球状部分を把持できないた
め着脱不能となっていた.同日に家族と共に医療機関を受診した.
治療経過と予後来院時,バイタルサインに異常は無かった.左耳垂は腫脹・発赤し触診で圧痛を認めた.同
部位背側にはピアス付属品が露出していたが,腹側にはピアスの露出を認めなかった(図
1,図 2).持参した写真でピアス装着初日の様子と比較したところ,耳垂腹側に露出してい
た 2 mm 大の球状のピアスが耳垂皮下に完全に埋没していることが判明した.
埋没したピアスはわずかに開通しているピアス孔から確認できた.鑷子を用いて把持・抜去
を試みたが,ピアス孔からの摘出は困難であった.耳垂腹側を 5 mm 程度小剪刀で切開し
埋没したピアスを露出させ,鑷子でピアスを抜去した(図 3).切開創を縫合し閉創した(図
4).感染予防のため,抗菌薬内服を開始し外来管理とした.受診翌日の再診時に耳介血腫,
創部の感染兆候がないことを確認した.受診 4 日後に抜糸し,創部の閉鎖を確認し終診とし
た.その後本件に関して当院への再診はなく経過している.
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