公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.083 2 ルームテント内での一酸化炭素による中毒

タイトルNo. 83 2 ルームテント内での一酸化炭素による中毒
事例年齢:6 歳 5 か月  性別:女児  体重:23 kg  身長:114.2 cm
年齢:8 歳 4 か月  性別:男児  体重:25 kg  身長:125.8 cm(兄妹例)
傷害の種類2 ルームテント内での一酸化炭素中毒
原因対象物2 ルームテント
臨床診断名一酸化炭素中毒
医療費126,700 円(妹)+126,700 円(兄)
発生状況
_発生場所
屋外キャンプ場
発生状況
_周囲の人・状況
両親と本児たちの家族 4 人でキャンプをしていた.
発生状況
_発生時刻
2017 年 11 月 X 日(土)  午後 7 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
両親と兄妹の家族 4 人でキャンプ場に,2 ルームテントを持参してキャンプをしていた.2
ルームテントの両テント間の仕切りとテント入口を開放した形で,テント入口タープ下のス
ペース付近にバーベキューコンロを設置して調理した.午後 7 時頃にバーベキューが終了し
て片付けたのち,家族 4 人がリビングスペースに入り,寒かったため,全体の入り口を地面
から 30 cm 程度の隙間を換気用に確保して閉じた.午後 7 時 30 分頃に本児たちが奥の寝室
スペースであるインナーテントに入ったところ,頭痛を訴え始めて,数分後に意識を失っ
て,倒れこんだ.すぐに両親が児をテント外に出して声をかけたところ,その数分後に意識
は回復した.自家用車で二次医療機関を受診された.
治療経過と予後二次医療機関の受診時(午後 8 時),両児とも SpO2 98%(room air)で,頭痛や意識消失な
どの症状は消失しており,全身状態は良好であった.血液検査データでは,静脈血にて妹で
ある 6 歳女児は COHb 20.8%,兄の 8 歳男児は COHb 18.5%とそれぞれ高 COHb 血症を認
めた.問診と血液検査より,テント内での換気不良による一酸化炭素中毒と判明し,全身状
態は良好であったため,経鼻酸素投与を行って経過観察とした.その後,無症状で経過し
た.翌朝にはそれぞれ COHb 0.6%と 0.2%まで低下しており,全身状態良好で後障害を認め
ず,退院した.その後も特に神経学的後遺症を認めず経過している.
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