公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.077 エスカレーターに巻き込まれて受傷した前腕裂創

タイトルNo. 77 エスカレーターに巻き込まれて受傷した前腕裂創
事例年齢:3 歳 6 か月  性別:男児  体重:16 kg  身長:95 cm
傷害の種類裂創
原因対象物エスカレーター
臨床診断名左前腕裂創
医療費396,510 円
発生状況
_発生場所
エスカレーター(図 1,図 2)
発生状況
_周囲の人・状況
父親と二人で下りのエスカレーターに乗っていた.特に混雑はしていなかった.児の服装は
半袖,半ズボンであった.
発生状況
_発生時刻
2017 年 8 月 20 日  午後 2 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
父親が児の右手をつないで横に並び,下りのエスカレーターに乗っていた.エスカレーター
の中央あたりを通過した際に,児が口にくわえていたお菓子の空袋を落としてしまい,しゃ
がんで左手で袋を拾おうとした.その際に児の左前腕の外側が,エスカレーターのステップ
とスカートガードの間(図 2)に挟まれ受傷した.受傷の瞬間に父親がとっさに児の手をす
くい上げたところ,児の左手背から前腕尺側にかけて13 cmほど皮膚に裂創を生じ出血して
いた.通行人がタオルで児の創部及び上腕を圧迫止血し,救急要請した.父同伴のもと,医
療機関へ搬送された.
治療経過と予後当院到着時,意識清明であり,バイタルサインは脈拍 117 回/分,血圧 128/95 mmHg であっ
た.創部は止血しており,循環は安定していた.左手背から前腕外側に長径 13 cm,筋層に
達する深さ 1.5 cm の裂創を認めた(図 3).動脈・腱損傷は認めず,骨折の合併もなかった.
破傷風トキソイド・抗菌薬の投与後,手術室において全身麻酔下で創部洗浄・縫合処置を行
い,翌日に退院となった.受傷後 6 か月時点で整形外科外来通院中であるが,創部感染や縫
合不全を認めず,一部ケロイドの残存を認めたが,神経及び運動機能障害などの後遺症なく
経過している.(図 4).
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