公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.070 ベッドガード使用時の窒息

タイトルNo. 70 ベッドガード使用時の窒息
事例年齢:0 歳 6 か月  性別:男児  体重:8.0kg  身長:70cm  
頭囲:44cm  頭横径:12cm  前後径:14cm
傷害の種類窒息
原因対象物ベッドガード(1,310×410mm,挿入するパイプ長 380mm,厚み 20mm)
セミダブルベッド(本体:1,980mm×1,290mm×240mm,マットレス:1,980mm×1,200mm
×220mm)に,ネット通販で購入したベッドガードを装着し,普段から児を寝かせていた.
児が寝返りするようになり転落防止のため,友人からの口コミで当製品を購入した.
臨床診断名窒息
医療費5,260 円
発生状況
_発生場所
自宅寝室
発生状況
_周囲の人・状況
患児宅では,普通のベッドに市販のベッドガード(L 字型の一辺をマットレスの下に差し
込むタイプ:図 1)を併用し,児を寝かせていた.以前から,ベッドと柵に隙間ができる
ことを気にした母親が,タオルを隙間に詰め込んでいた.(補足:図 2 は,病院の患者用ベッ
ドに装着した状態である.図 3 のように,中央のメッシュ部は伸縮性があり,製品をマッ
トレスに密着させても簡単に隙間ができる.事案発生前も児の腕が度々隙間に嵌まり込ん
でいたため,図 4 のように,母親はタオルケットを丸めてメッシュ部に詰め込む工夫を行っ
ていた.)
発生状況
_発生時刻
2016 年 9 月 7 日  午前 11 時 00 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
周産期や発達歴に異常のない児である.本児を伴った買い物から帰宅し,母親はまず児を
ベッドに寝かせ,その後車内の荷物を取りに戻った.児は覚醒しており,母親の姿が見え
なくなって啼泣を始めた.約 2 分後に母親が戻ったところ,ベッドガードが水平にずれ,マッ
トレスとの間に10cm弱の隙間ができ,その隙間に児の半身が側臥位で嵌まり込んでいた(図
5 ~ 7).母親によると,顔面は半分程度マットレスまたはタオルケットで覆われていた.
発見時,児の体動及び発声はともに認められなかった.けいれんはなかった.慌てて母親
が抱き上げると,児はグッタリと閉眼し顔面にチアノーゼを認めた.完全に呼吸停止して
いたかどうかは不明である.母親は脈を確認する余裕もなく,児を刺激しながら救急要請
した.電話を切った時点で児は呼吸をしていたが,反応が鈍く,啼泣しない状態がしばら
く続いた.
治療経過と予後救急要請してから 17 分後に救急隊が到着した.その時にはほぼ普段通りに啼泣を認めた.
病院に到着した時には,意識は清明で明らかな神経学的異常を認めなかった.特に検査は
行わず,経過観察を指示したうえで帰宅とした.3 週間後に再診しているが,特に普段と
変わりはないとのことであった.
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