No.067 医薬品の誤飲による意識障害,けいれん
| タイトル | No. 67 医薬品の誤飲による意識障害,けいれん |
| 事例 | 年齢:2 歳 9 か月 性別:女児 体重:12kg 身長:85cm |
| 傷害の種類 | 薬物誤飲 |
| 原因対象物 | 医薬品錠剤(筋緊張性疾患治療薬) |
| 臨床診断名 | 急性薬物中毒 |
| 医療費 | 入院費(9/27 ~ 10/4)870,810 円 外来費(10/14 まで)1,110 円 |
| 発生状況 _発生場所 | 自宅のキッチン |
| 発生状況 _周囲の人・状況 | 本児,兄(6 歳)は 1 階にいた.兄はリビングでテレビを見ており,キッチンの棚(高さ 150cm)に薬袋が置いてあった.階段式の足台(70cm)が棚の側に置いてあった. |
| 発生状況 _発生時刻 | 2016 年 9 月 27 日 午後 2 時 30 分 |
| 発生状況 _発生時の詳しい様子と経緯 | 午後 2 時 30 分,母は本児と兄(6 歳)との 2 人が自宅の 1 階リビングで遊んでいたのを確 認した後,2 階で洗濯物を畳んでいた.午後 2 時 45 分に母が一度 1 階に降り,リビングで 兄と会話した.その際,本児が錠剤のようなものをかじっていたが,母はラムネかと思い 特に詮索しなかった.その後,母は再び 2 階で洗濯物を畳んでいた.午後 2 時 55 分に母が 1 階に戻ってきた際に,キッチンで本児が階段式の台に登って棚の袋に手を伸ばしている のを目撃した.当日,階段式の台は棚の横に置いてあり,児が台を動かさず登るだけで薬 袋に手が届く状態であった.母が確認すると,児の口腔内にごく少量の残薬の痕があった. 母が日本中毒情報センターに電話で問い合わせている最中に,児が徐々に傾眠傾向となっ たため救急要請となった. 薬袋内には母の内服薬である錠剤(20mg)がもともと 84 錠あった.母が誤飲を認識した 時点で残薬が 55 錠であったため,児が 29 錠を内服したと推測された.薬はすべて PTP 包 装されていたが,29 錠分開封されており,包装シートは誤飲されていなかった. |
| 治療経過と予後 | 午後 3 時 50 分,病院搬入時に GCS(グラスゴーコーマスケール)で 11 点と意識障害を認 めたが,気道・呼吸・循環は保たれていた.トライエージ(尿中簡易薬物スクリーニングキッ ト)は陰性であり,心電図に異常は認めなかった.児は一時的に興奮状態となることもあっ たが,興奮が落ち着くとバイタルサインは安定した(心拍数 103 回/分,呼吸数 23 回/分, 血圧 84/31mmHg,SpO2 97%(大気下)).午後 5 時 0 分に全身性間代性けいれんが生じ, ミダゾラム 0.1mg/kg を 2 回静注した.けいれん様の動きは頓挫したが,意識障害が遷延 し呼吸抑制を認めたため,気管挿管の上,人工呼吸による集中治療管理を開始した.頭部 CT,MRI では器質的異常は認めなかった.持続脳波で全般的徐波を認めたが,経過ととも に改善し,入院 2 日目には年齢相当の脳波所見となった.入院 3 日目に抜管し,入院 4 日 目に一般病棟へ転棟した.その後は意識清明で,入院 8 日目に退院した.入院中にメディ カルソーシャルワーカーが介入し,家庭支援センターとの地域連携を調整した.また今後 の児の発達・発育は外来でフォローアップ予定とした. |
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