公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.061 玩具のパーツによる窒息

タイトルNo. 61 玩具のパーツによる窒息
事例年齢:0 歳 9 か月  性別:男  体重:8.7kg  身長:74.0cm
傷害の種類窒息
原因対象物玩具に付属するおしゃぶり 大きさ 1.0cm×1.2cm
臨床診断名心肺停止・低酸素脳症
医療費6,610,350 円
発生状況
_発生場所
自宅のダイニング
発生状況
_周囲の人・状況
曾祖母,母(キッチン),父,姉(5 歳)がそばにいた
発生状況
_発生時刻
2015 年 8 月 9 日  午前 8 時 30 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
午前 8 時 30 分に,家族が患児へ離乳食(パン粥)一口とお茶を飲ませたところ,患児が突
然苦しそうにしだした.徐々に顔色が悪くなり,間もなく意識を消失した.父が児を逆さ
まにしたり,胸部突き上げ法や人工呼吸を行ったが,救急隊到着時(窒息から 21 分)には
心肺停止状態であった.直ちに救急隊により胸骨圧迫が開始された.口腔内を観察したと
ころ人形に付属する玩具(1.0×1.2cm 大のおしゃぶり)(図 1)が見つかった.異物はその
場で取り除かれた.
治療経過と予後近医受診時,上口唇は普段の 2 倍以上に腫脹していた.日本中毒情報センターに確認した
ところ,染毛剤 1 剤は毒性が強いことが判明したため,当院に紹介となった.
当院到着時,上口唇の腫脹を非常に強く認めた(写真 1).母親があわてて拭き取った際に,
口唇に付着したのではないかと考えられた.なお,呼吸状態は安定しており,口腔内およ
び気道内へは内容液が達していないと考えられた.
ステロイド軟膏の塗布を行い経過観察したところ,腫脹は誤飲から約 8 時間をピークとし
て徐々に改善し,翌朝には腫脹は完全に消失した.
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