公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.056 ミニカップゼリーのプラスチック容器の誤嚥による窒息疑い

タイトルNo. 56 ミニカップゼリーのプラスチック容器の誤嚥による窒息疑い
事例年齢:1 歳 4 か月  性別:男  体重:10kg  身長:不明
傷害の種類誤飲
原因対象物ミニカップゼリーの透明なプラスチック容器
高さ 2.5cm,最大直径(つまみのある長い方)4.8cm
臨床診断名誤嚥による窒息疑い
医療費外来受診費 4,930 円
発生状況
_発生場所
自宅のリビングルーム
発生状況
_周囲の人・状況
兄(一緒にゼリーを食べていた),母(台所で家事をしていた)
発生状況
_発生時刻
2014 年 12 月 25 日 午前 9 時 7 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
兄と一緒におやつのミニカップゼリーを食べていた.いつも兄は自分一人で,患児は母が
スプーンでカップからゼリーをすくって食べさせていたが,今回は患児が兄と同様に自分
でカップを持って食べたがったため,カップごと患児に手渡し,兄弟 2 人だけでリビング
ルームで食べさせていた.母はキッチンで家事をしていた.子どもが咳をしているのに気
付きリビングに様子を見に行くと,患児が顔色不良で横になっているのを発見した.すぐ
に誤嚥を疑い,患児を逆さまにして背中を叩いた.数秒後に朝食の残渣とゼリーと,ミニカッ
プゼリーの透明容器(図 1)が排出された.その後 2 分ほどぼーっとしていたが,次第に
意識レベルは回復した.大きな問題はなさそうであったが念のため救急外来を受診した.
治療経過と予後救急センター受診時には意識レベルは清明で,バイタルサインや身体所見に異常を認めず,
そのまま自宅にて経過観察となった.翌週に外来にて経過をフォローしたが異常は認めず
終診となった.
本ケースでは母が理学療法士で普段から誤嚥した高齢者に対応する機会が多かったため,
すぐに誤嚥を疑い初期対応を行うことができた.発生直後に誤嚥に対する初期対応を行わ
なかった場合,長時間の窒息が続き重篤化していた可能性があったと考えられる.
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