公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.049 ブドウの誤嚥による窒息_1

タイトルNo. 49 ブドウの誤嚥による窒息_1
事例年齢:2 歳 6 か月  性別:男  体重:12.8kg  身長:90.0cm
傷害の種類誤嚥,窒息
原因対象物巨峰(直径 3cm 大,種なし,皮をむいたもの)
臨床診断名喉頭異物,陰圧性肺水腫
医療費436,880 円 
発生状況
_発生場所
自宅の食卓
発生状況
_周囲の人・状況
母親と一緒に巨峰を食べていた.
発生状況
_発生時刻
2013 年 8 月 11 日  午後 6 時 40 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
母親が同席している食卓に座り,ブドウ(直径 3cm 大,皮をむいた種なし,今回がはじめ
て)まるごと 1 個を,一人で摂取していた.特に感冒症状や啼泣している様子もなかったが,
突然咳き込んだ後に,泡を吹いて意識消失した.そばにいた母親が誤嚥を疑って慌てて手
で掻き出そうと試みたができず,救急要請した.その後,同児を抱いて家の外に出た際,
通行人にハイムリッヒ法を施行され,ブドウは一塊で排出され,直後より児は啼泣を認めた.
発症後約 5 分の奇跡的な経過であった.
治療経過と予後救急車にて前医に搬送された後よりチアノーゼが出現,SpO2 の低下,傾眠傾向となったた
め,当院へ転院となった.当院への搬入時は意識清明で,明らかな腹腔内臓器の損傷や頭
蓋内疾患は否定的であった.胸部 X 線単純写真(図 1)で両肺野のすりガラス状の透過性
低下を認めたが,酸素投与で呼吸状態は安定し,窒息後の経過観察を目的に入院となった.
第 4 病日,酸素需要は消失し,胸部 X 線単純写真(図 2)で透過性低下の改善傾向を確認し,
第 6 病日,異物誤嚥に対する予防指導を行い退院とした.本症例は,ブドウの誤嚥による
上気道閉塞の解除後,陰圧性肺水腫を合併したと診断した.その後,後遺症もなく発達も
正常に経過している.
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