公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.041 抱っこ紐からの転落による頭部外傷

タイトルNo. 41 抱っこ紐からの転落による頭部外傷
事例年齢:0 歳 4 か月 性別:男
体重:6.0kg 身長:61.6cm
傷害の種類転落
原因対象物抱っこ紐
臨床診断名外傷性くも膜下出血
医療費入院費 232,340 円
発生状況
_発生場所
空港リムジンバス乗り場にある券売機前
発生状況
_周囲の人・状況
児を対面で抱っこ紐(図 1,2)に固定し,リムジンバスに乗るために券売機の前でカバン
を台に置いて財布を出そうとしていた.
発生状況
_発生時刻
2013 年 3 月 28 日 午後 0 時 55 分
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
児を抱っこ紐に対面で固定している状態で,券売機にて券を購入しようと 70 ~ 80cm 程度
の高さの台にカバンを置いた.カバンから財布を出そうと少し前かがみになったときに抱っ
こ紐の右脇から児が滑るように頭部を先進部にしてコンクリートの地面に転落してしまっ
た.抱っこ紐のベルトはすべて閉めていた.普段は,ダウン着の上から装着していたが,
その日はダウン着を着ていなかった.すぐに空港職員に声をかけて救急要請をしてもらい,
近医へ搬送された.外傷性くも膜下出血を認めたために当院へ転院搬送された.
生後 1 か月の頃から使用しており,今までも児がすり抜けそうでひやっとしたことはあった.
治療経過と予後救急搬送された前医での頭部 CT にて外傷性くも膜下出血を認めた.軽度の意識障害があっ
たため,今後のフォローアップを含めて経過観察を目的に当院へ転院搬送された.意識は
自然経過で経時的に改善を認めており,当院受診時には意識清明であった.受傷から経過
中に痙攣や嘔吐を認めなかった.受傷 5 時間後のフォローアップの頭部 CT で出血の増悪
を認めず,経過観察のために HCU へ入室した.
入室後,意識レベルの低下はなく,嘔吐や痙攣もみられず,第 2 病日からミルクの経口摂
取を開始した.いったん発熱が見られたが自然に解熱した.一般病棟へ転棟し,第 5 病日
に後遺症を残すことなく退院した.今後は外来にてフォローアップを予定している.
キーワード