公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.039 ストロー付きコップによる口蓋の刺創

タイトルNo. 39 ストロー付きコップによる口蓋の刺創
事例年齢:2 歳 7 か月 性別:男児
体重:12kg 身長:87cm
傷害の種類刺創
原因対象物ストロー付きコップ
臨床診断名口蓋挫創
医療費
発生状況
_発生場所
自宅のリビング
発生状況
_周囲の人・状況
4 歳の姉がそばにいた.
発生状況
_発生時刻
2013 年 1 月 5 日 午前 9 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
朝食後,リビングのこたつのテーブルの上にカルピスが入ったストロー付きコップ(写真 1,
2)を置いて,児(M)が飲んでいるのを母親は見た.その後,母が目を離した際に,いつ
もとは異なる激しい泣き声が聞こえ,見にいったところ,リビングから離れたところで座
り込んで泣いていた.姉が側にいて,「M がこれ(ストロー付きコップ)をもって歩いてて
転んだ」と言った.児の口腔から出血していたので,口腔内に怪我をしたと思った.すぐ
に児の口の中をみたところ,軟口蓋付近から出血しているのが分かったが,その時は大丈
夫だろうと思った.吐き出す唾液がしばらくたっても血性であるため懐中電灯で再度口腔
内を確認したところ,口蓋部分の粘膜がそげてぶら下がっているのが確認できた.処置を
受けないと止血しないだろうと判断し,自家用車で当院の救急を受診した.
治療経過と予後受診時,意識は清明で,バイタルサインに問題はなかった.口腔内の所見として,軟口蓋前方・
左寄りに 2cm×0.5cm の弁状の創があり,1cm 程組織が垂れ下がっていた(写真 3).安静
時には止血するが,啼泣時の出血が止まらないため形成外科に処置を依頼,手術室にて全
身麻酔下に止血,創縫合を施行した.創底は筋層に達していたが,鼻腔への貫通はなかった.
ICU への入院となり,その後の経過は順調で,3 日後に退院した.
今回のストロー(写真 2)には破損部分は認められなかった.母親の話では,購入した製品は,
子ども用の商品として置いてある物なので安全な商品だろうと信じていた.横倒しになっ
ても中身がこぼれない構造となっており,普段から使用していた.よく見ると,ストロー
部分が硬い素材で出来ており,コップから突き出している部分が長く,けがをする可能性
がある商品だと思ったとのことである.
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