公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.032 首浮き輪による溺水_1

タイトルNo. 32 首浮き輪による溺水_1
事例年齢:6 か月 性別:女 第 1 子 体重:7.9kg 身長:66cm
傷害の種類溺水
原因対象物首浮き輪
臨床診断名低酸素性虚血性脳症の疑い
医療費197,350 円(入院),3,220 円(外来)
発生状況
_発生場所
自宅の浴槽内
発生状況
_周囲の人・状況
母親が 2 ~ 3 分間,目を離していた.
発生状況
_発生時刻
2012 年 2 月 1 日 午後 6 時 20 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
浴槽内で首浮き輪を頸部に装着していた.2 つある安全ベルトのうち,上面の安全ベルト
しかしていなかった.母親が洗髪中に,長くて 2 ~ 3 分間,目を離して気付くと,首浮き
輪の上部に目がかかるまで児がズレ落ち,鼻の下までお湯に浸かっていた(事例 1 の図).
気付いてすぐに抱き上げた.顔色不良で,2 回にわたり水を嘔吐,顔色は戻ったが,救急
車を要請した.
治療経過と予後来院時,意識は清明,呼吸・循環は安定し,神経学的に異常所見はなかった.バイタル・
サインは PR 140bpm,BP 114/84mmHg,BT 37.0 度,RR 30/min と安定していた.血清
Na は 129mEq/L と低下を認めた.その他主な血液検査所見は,静脈血 pH 7.323,pCO2
34.0mmHg,血糖 121mg/dL,乳酸 39mg/dL,BE -7.8mmol/L,HCO3 17.1mmol/L,
WBC 19,250,Hb 9.9g/dL,Plt 74.6×104,AST 65IU/L,ALT 39IU/L,Cre 0.15mg/dL,
K 5.0mEq/L,Cl 100mEq/L で,胸部 X 線写真には異常を認めなかった.溺水に準じて入
院とし経過観察した.
翌日,Na 値も 138mEq/L まで改善を認め,3 日間の入院で呼吸状態の悪化なく,後遺症な
く退院となった.
キーワード