公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

事例で防ぐ子どもの傷害 Injury Alert(傷害速報)

No.031 フード付きパーカーによる縊頸

タイトルNo. 31 フード付きパーカーによる縊頸
事例年齢:4 歳 9 か月 性別:女
体重:14.9kg 身長:99.1cm(頸部まで 83cm,頸周り 24.5cm)
傷害の種類縊頸
原因対象物フード付きパーカー
臨床診断名縊頸
医療費67,190 円(入院)
発生状況
_発生場所
自宅の玄関
発生状況
_周囲の人・状況
自宅内で遊んでおり,一人で玄関から外へ出た.両親および 7 歳の兄はともに家にいたが, 患児が外出したことを特に気にしていなかった.
発生状況
_発生時刻
2012 年 3 月 11 日(日曜日) 午後 1 時 30 分頃
発生状況
_発生時の詳しい様子と経緯
自宅の居間で父親と 7 歳になる兄がピアノを弾いていた.母親は台所にいた.患児が玄関
の戸を開き,外出した気配を感じたのが午後 1 時 30 分頃であったが,ピアノの音のため詳
細は不明である.午後 1 時 40 分頃,患児の所在が気になった母親が玄関に行ったところ,
開き戸の取手の下部分(写真 1)に,患児の着ていたパーカー(写真 2)のフード部分が引っ
かかった状態で,戸は閉まっていた.患児の泣き声が聞こえたため外開きの戸を開けたと
ころ,パーカーの頸部が患児の頸に巻き付いた状態であった.慌ててパーカーを脱がせ,
助け出したところ咳をし出した.その際,口唇の色は黒かった.意識消失はなかった.午
後 1 時 45 分頃には様子が落ちついたようであったため,保護者は受診先を探した.しかし,
近隣で受け入れてくれる施設がなく,1 時間後に当院に受診となった.
治療経過と予後来院時のバイタルサインに異常はみられなかった.眼周囲にうっ血斑(写真 3),頸部前方
に線状の皮下出血(写真 4)を認めた.状況からパーカーのフードが引っ張られたことに
よる縊頸であると推測された.遅発性の障害を監視する目的で,生体情報モニターによる
管理下で入院とした.入院後は特に状態の悪化を認めず,翌日には退院となった.その
後,外来を再受診しているが,一度なくなった夜尿が再び見られるようになった以外は特
に状態の変化はみられなかった.
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